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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第四十二話 紅と白
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「学園は戦争でも起こす気ですか?」
「そんな訳がないだろう! だが……だが今は時間がないんだ!」
「……わかっています。ただ、皆さんにも現状を正しく理解していただきたかったんです」

 よく現状を理解していなかったように見える織斑君を除いて、みんな少し浮かれているような気がした。もちろん、代表候補生であるセシリアさん達は真剣に話し合っていたのはわかるけれど、それが僕は怖かった。
 学園の指示があったからと何の疑問も持たずに実戦へと臨もうとする彼女たち。

 一歩間違えば、この中の誰かが死ぬかもしれない。
 運良く犠牲なく乗り切ったとして、この不可解な事件。国家レベルのいざこざに巻き込まれるかもしれない。

 ようやく出来た大事なもの、それを失うかもしれないことが何より怖かった。

「……こちらも全ての情報を明かせる訳ではないのは理解してほしい。だが、もはやこの案件、対応できるのは我々しかいない。プレッシャーをかけるつもりはないが、失敗は許されないと思ってくれ」
『は、はい』

 僕もこれ以上邪魔をするつもりはない。
 
 正直な話、僕に日本を守ろうなんていう崇高な思いはない。できれば守りたいとは思うけれど、目の前にいる友人や学園にいる楯無さん達と比べるべくもない。
 でも、そんな彼女達に危険が及ぶなら……僕はこの身を賭けてでも守り抜いて見せる。



 その後の作戦会議は紛糾した。
 対象は超音速で飛行を続けていることから、一回のアプローチで堕とさなければならない。それはつまり一撃必殺の攻撃力が必要であり、必然的にその役に当たるのは『零落白夜』を持つ織斑君になった。まぁ、本人は納得していないようだけれど。

 しかし彼の白式だけでは速度が足りずに接敵が出来ない。つまり彼を対象のもとまで連れて行く役が必要になるのだけれど、それを決めるにあたり束さんが突然乱入して箒さんを押した。

 本来であれば超音速下での訓練経験があるセシリアさんや鈴さんがやるべきなのだけれど、束さんは紅椿のスペックを武器にごり押しした。
 この場の誰の専用機をも凌駕する……第四世代のスペックで。

 時間も無いことから、すぐに織斑君と箒さんが向かうことが決まり束さんにより両機体の調整が行われた。

 今は二人に他の専用機組が、超音速下での戦闘のレクチャーを行っている。

 僕は……というと、束さんに呼び出されていた。

「ねぇねぇ、しーちゃんも行ってくれるよね?」
「……天照では速度がとても足りませんよ? 瞬間加速度のスペックは高いですが、最高速に関しては第二世代と比べてさえそれほど優れたものではありませんし」

 もともと、この機体は並外れた加速により瞬時に最高速に達することができるかわりに最高速そのも
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