暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第48話 ネフテスに行った方が良い?
[14/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「木の精霊よ。お願いがあって参りました。姿をお見せください」

「何の用だ。重なりし者よ」

 すぐに木の精霊は姿を現してくれました。相変わらずSDミニマム化したままです。

「実は……」

「面倒だな」

 説明しようとしたら、目の前に緑色の糸が飛び手にプスッと刺さりました。そんなに堂々とやられると、流石に……

「ギル? それは何を……」

 案の定気付かれてしまいました。

(木の精霊!! 気付かれない様にお願いしたじゃないですか!!)

「(面倒だ)」

 切って捨てられました。

「ギル。それってまさか……」

「精霊の前です。話なら後でします」

 とりあえず今は黙らせます。うわー。物凄く不服そうです。帰ったら家族審問決定ですね。

「(何がしたいかは理解した。だが我が協力する理由は無いな)」

(あっ。やっぱり駄目ですか)

「(我等精霊の役目は“自然の理に従う事”だ。小さき精霊は魔力を対価に力を貸すが、我の様に意思を持つ者はそれを良しとしない)」

 要するに今回の一件は、精霊の矜持に反すると言う事ですね。

(お知恵をお借りする事も?)

「(悪いが我等の矜持が許す範囲では、有効な物は無いと判断する)」

(分かりました。如何してもと言う程の物では無かったので、今回は諦めます)

 仕方が無いです。しかし、家族審問の上収穫無しはキツイですね。緑色の糸が外れ、私は鬱々とした気持ちを振り払う様に口を開きました。

「まあ、砂漠行きが無くなっただけで良しとしておきましょう」

 無理矢理でも利点を探さなければ、やってられません。そして帰ろうとする私達を……

「待て」

 何かに気付いた木の精霊が呼び止めました。何故だろう? 物凄く嫌な予感がします。私のこれまでの経験上、ここで待ったら絶対ろくな事になりません。

「いえ、お構いなく。私達はこれで失礼しますので。……ティア」

「応」

 既に私の頭にある選択肢は、逃亡一択しか残っていませんでした。しかし現実は無情です。ティアがウエストポーチから飛び降りると同時に、私達は蔓のドームに包まれてしまいました。

「我は待てと言った」

 もう逃げられません。観念するしかない様です。それからディーネ。怖いのは良く分かりますが、抱き付かないでください。逃げ……動き辛いです。

「分かりました。大人しく話を聞きます」

 私が観念してそう答えると、私達を包むドームは解かれました。木の精霊がどこか満足げなのが妬ましいです。ディーネも安心した様で、(今更)私から離れてくれました。

「重なりし者よ。貴様は先程砂漠へ行くと言ったな。それは、かつて“風の精霊を消滅させてた戦いの舞
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ