暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第48話 ネフテスに行った方が良い?
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だけポーチから出すと、恨みがましい目で見て来ます。はい。綺麗に無視させていただきました。

 本邸の自室を出ると、正面に一面ガラス張りの壁が目に入りました。その向こう側に見えるのは、大きな池がある本邸の中庭です。日本庭園を意識して作った庭は、桜等の春の木と楓等の紅葉する木がバランスよく植えられ、岩や季節の花木(かぼく)が池に映る姿が美しく1年通して楽しめます。私が居る場所は3階ですが、中庭は崖上側にあるので、手近なガラス扉を通れば直ぐに庭に出れます。廊下には小さな水路が設置してあって、澄んだ水が常に流れています。(精霊に隠し事をしないと言う意味で、全ての廊下に水路が設置してある)

 私はそのまま広間に移動します。広間は1階から3階まで吹き抜けになっていて、中央の池には巨大滑り台の様な水路から絶えず水が注がれています。当初は滝の予定でしたが、しぶきが飛ぶのは嫌という事で水路になりました。池の水は正面玄関を通り、本邸正面にある(祭りのとき舞を奉納する)演舞場を通して、本来の川に戻って行きます。大雨による増水や干ばつに対応する為、溜池や水門の設置もちゃんとやりました。

 広間から外へ出ようとした所で、ディーネと出くわしました。

「ギル。丁度良かったです。ん? 出かける所でしたか?」

「大丈夫ですよ。如何かしましたか?」

 聞き返すとディーネは頷きました。

「オペラに使う音楽家やバックコーラスを集めているのです。音楽家の方は何とかなったのですが、バックコーラスの方が集まらなくて困っているのです」

 音楽家は楽団(貴族のパーティーで音楽を奏でる需要があったので、比較的簡単に見つかった)を雇えそうなので問題は無かったのですが、バックコーラスを任せられる人材が見つからなかったのです。

「バックコーラス……ですか」

 とりあえず“困ったら私の所”と言うのは勘弁してほしいです。特に芸能娯楽関係の人材面は、元々私が担当していて八方手を尽くしているのです。今更私の所に来られても……

「如何にかなりませんか?」

 本当に困っているのでしょう。ディーネの目が、私に“助けて”と訴えて来ます。私の仕事を奪った形ですが、ディーネからすれば“手伝いをして居たら突然責任者を押し付けられた”のです。気苦労も多いでしょうし、色々な意味で助けて欲しいですよね。(父上。お恨み申し上げます)

「分かりました。手伝います。他の人材は如何なっているのですか?」

「はい。舞台女優は、三馬鹿(アリア、アリス、アミラ)とアニー他数人が協力してくれます」

 三馬鹿も心配ですが、アニーはよく女優になる事を承諾しましたね。彼女はその美しい容姿が原因で、貴族の慰み者にされそうになって家族と逃げてきた経緯があるのに……。まあ、その貴族
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