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僕は友達が少ない!〜ヨルノタカ〜(更新凍結中)
第一話 羽瀬川小鷹と三日月夜空
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☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「あ〜ぁ、退屈だ……」

少年、三日月夜空は机に突っ伏して呟いた。その表情は見方によっては何かを憂いているようにもみえ、元々美形な彼がそんな表情をしていると、否が応でも女子の視線を釘付けにするのだ。
ここ、聖クロニカ学園に入学した当初こそ、生意気だなどと、おかしな理由をつけてケンカを仕掛けてきたが、そこらへんのやつらなどでは、彼には勝てない。なぜなら彼は八歳から、今まで、ある特殊な武術を母から叩き込まれており、並の人間では傷一つつけられない。それ故に夜空はその力を使いそいつらを完膚無きまでに黙らせた。
だが、それが悪かった。それによって

「不良を傷一つ負わずにのした最強の美少年」

などと言う噂が広まってしまったのだ。別に自分が美少年だということは否定はしない。(もちろんこんなこと言うから彼には友達ができないのだと自覚もしている。)
だが、それによっておかしなあだ名をつけられるのはごめんだ。

「英雄王…か…笑えねえ…」

夜空についたあだ名。英雄王。つまりはヒーローということだ。
ヒーロー。これほど彼に似合わない名は無いだろう。夜空はそう思う。彼のことを表面上しか知らない他人からして見たらなにを馬鹿なことを言っているのだ。と、言われるだろう。だが、彼をよく知っている人間から言わしてもらうと、そいつらこそなにを馬鹿なことを言っているのだという話だ。夜空の知り合いの言葉を借りるならばそう。夜空はスターにはなれてもヒーローにはなれないだ。なぜなら夜空は知ってしまっているから。
本物のヒーローを。自分を救ってくれたあの少女のことを。女の子なのに自分のことをボクと呼び凄まじいまでの怪力でいじめっ子達を撃退した。あのくすんだ金髪の女の子を。

ーピンチのときにはボクをよびなよ。心の中で三回唱えな。

ヒーロー見参
ヒーロー見参!
ヒーロー見参??

そしたらボクがやってくる! ー

「いい加減、来てくれよ…ヒーロー…」
その言葉を信じて、何度呼んだことだろう。ああ、今日もまた、退屈な一日が始まる…

★★★★★★★★★

小鷹は走る。階段を駆け上がりもう授業が始まったいるとわかっていても走る。


夜空は心の中でとなえる。
ーヒーロー見参。


小鷹は走る。教室まであと少し。


夜空は心の中でもう一度唱える。
ーヒーロー見参。


小鷹は加速を始める。もう扉を開けるのすらもどかしい。


夜空は心の中で最後にもう一度唱える。
ーヒーロー見参。


「おっらああああああああ??」

その雄叫びと共に小鷹は教室の扉を
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