第6話 DEAR KABY 〜親愛なるカービィへ〜
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・・・私があんなことを言わなければ父は死ななかったかもしれない・・・と」
ナツは先ほどの怒りが静まり、黙り込んでいた。
ルーシィとラストも、カービィの話を静かに聞いていた。
「だからね・・・せめてもの償いに乳の遺作となったこの駄作を・・・父の名誉の為この世から消し去りたいと思ったんです。」
カービィはマッチを取り出し、棒に火を点けた。
「これで、父もきっと・・・」
「違うんです。」
ルーシィがそう言った後、風もないのにマッチの火が消えた。
「始まった!」
突然、本が光りだした。
「な、何だこれは・・・!?」
「ケム・ザレオン・・・いいえ、本名はゼクア・メロン。彼はこの本に魔法をかけました。」
デイ・ブレイクの表紙の文字が浮かび上がり、文字が並び替えられた。
並び替えられたその文字は
「DEAR KABY!?」
「そう、親愛なるカービィへ。彼は文字が入れ替わる魔法をかけたんです。中身もすべてです。」
本が浮き上がり、開いたと同時に本の文字が部屋中を舞った。
「おおっ!!」
「きれー!」
「30年以上も魔法が消えなかった・・・すごい魔力だ!」
ナツとハッピー、ラストは目の前の光景に見とれていた。
「彼が作家をやめた理由は最低な本を書いてしまったことの他に、最高の本を書いてしまったことかもしれません。」
「すげぇ!」
「文字が踊ってるよ!」
「カービィさんへの手紙という最高の本を!」
カービィはその時、父が言った言葉
“いつもお前の事を想っていたよ”
その真意に気付き涙を流した。
「それがケム・ザレオンが本当に残したかった本です。」
本の文字が全て入れ替わり、カービィは本をめくった。
そこにはケム・ザレオンが綴ったカービィへの想いが書かれていた。
「父さん・・・私は・・・父を・・・理解できてなかったようだ・・・」
「当然です、作家の頭の中を理解できたら本を読む楽しみがなくなっちゃう」
ルーシィ達は、自然と笑顔になっていた。
「ありがとう、この本は燃やせませんね・・・」
「じゃあ俺達も報酬いらねーな?」
「あい!」
ナツとハッピーがそう言って
「え?」
「はい?」
カービィとルーシィは驚いた。
「依頼は“本の破棄”だ、達成してねーし」
「い、いやしかしそういう訳には・・・」
「そ、そうよせっかくの好意なんだしいただいておきましょうよ?」
「あー、ルーシィがめつー!さっきまでけっこういい事言ってたのに全部チャラだ」
「それはそれ!!」
最もな事を言うハッピーを怒鳴っている光景に、ラストは冷や汗をか
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