受け取った女の子の話
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とめ役って感じで」
杏が恍惚とした表情で、言った。顎の下の余った脂肪が小刻みに揺れる。
凛と藍がこくこくと首肯する。一緒に、私も首を縦に振った。
「いつもクールでさ、運動もできるし」
「ちょっと不良っぽいところも良いよね。私、夏休みの時に榊原君を見かけたんだけど、赤いメッシュが入ってたよ」
「嘘、どこで見かけたのよ」
それから、話の流れは世の中の男性の容姿と性格の関連性について、となっていった。
実用的な知識が得られないと分かり、頭の中で落胆する。
ごめんね、杏、凛、藍。
私、その榊原君から、告白の為の呼び出しをされたの。
何か、榊原君について教えて貰えたらよかったんだけれど。そう、言ってやりたかった。
けらけら笑いながら話し合う三人が、矮小な、人形のように思えてきた。
ごめんね、貴方達が欲しい欲しいって言ってる物を、私、持ってるの。
暗い満足感が全身を駆け巡る。
一週間後だ。一週間後に、彼女らは目を三角にしながら、怒ったり、羨んだりするだろう。
必死に、口の端が吊り上がるのを抑えた。
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