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お屋敷話
ダメ人間のメイド/姉をクビにし隊
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メにやらないわ、おじょーさまの勉強の邪魔はするわで、クビにしたくない理由なんて思いつかないんですけど」
 夕陽のその質問に、夜月は頬を赤らめて言います。
「確かに、朝陽さんは働かないし、勉強の邪魔もしますけど。でも、いつだって私の話を聞いてくれて、私と話をしてくれるんです。他の使用人の方々は皆、私の世話をしてくれるだけで、雑談なんてしてくださいませんから。朝陽さん以外で唯一、プライベートな話をしてくださる夕陽さんは、いつもお部屋に閉じこもっていますし。だから私は、朝陽さんには一緒にいてほしいんです」
「おじょーさま……」
 夕陽は感動して目に涙を浮かべます。しかし、そこであることを思いつきました。
「おじょーさま。それって、あたしが部屋から出ておじょーさまの話し相手になれば、おねーちゃんはクビにしても問題ないのでは」
「あ……その手は思いつきませんでした。でも、お父様たちがきっと反対しますし……」
「旦那様と奥方様は、おじょーさまが本気でお願いしたら聞いてくれますよ。今までだってそうだったですし」
「それもそうですね……いける、いけますよ!これで朝陽さんをクビできます!」
「やりましたね、おじょーさま!」
 こんな感じで2人の間ではしばらく不穏な会話が続きました。
 今日もお屋敷は平和です。
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