暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
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 サイトはあの戦いの後、瓦礫の傍らから姿を見せた。とりあえずゼロに助けられたと適当に無事だった理由をつけると、目を覚ましたシエスタは彼に飛びつき、彼の胸の中で泣きわめき、ルイズはその姿を見て心なしか目くじらを立てた。
学院に戻ってきた時にはすでに夜明け前直前だった。学院から戻ってくると、馬小屋の前でルイズから説教された。
「また勝手にいなくなって…いったいいつになったら使い魔としての自覚を持つのよあんたは」
「…ごめん」
「それとサイト、次からは口を慎んでおきなさい。あんたの気持ちは理解できるけど、だからって言葉を選ぶことを忘れたら、貴族のほんのちょっとした気まぐれで殺されかねないわよ」
 確かにあの時、下手な行動を取ったことで、主人であるルイズにも迷惑がかかってしまうかもしれなかった。我儘で、面倒くさくて、可愛げのない主人ではあるが、自分のとばっちりでひどい目に遭うのは、本当なら我慢でならないこと。なのに自分は熱くなりすぎてそんなことも忘れてしまっていたのだ。これでは…周りの犠牲を顧みなかったゼロと全く変わらない…。しまいには変身してもあの様だった。俺は全く歯が立たなかった。
(俺は…未熟だ…)
「早く戻りましょう。罰は後でたくさん考えといてあげる」
 ルイズがそう言って自室に戻って行った。
次に、入れ替わるようにシエスタがやってきてサイトにお礼を言ってきた。
「サイトさん。本当にありがとうございました!」
「い、いや…俺は何も…」
「あの時、伯爵や怪物になったばあやたちから、私を守ってくれたじゃないですか!やっぱりサイトさんは、私たち平民の希望の星です!」
「え?」
 サイトはシエスタの話に、一部なんのことかわからないことがあった。
「怪物になったばあやって、なんのこと?」
 そうだ。そのばあやとやらのことをサイトは知らない。シエスタを助けに来たときは、すでに何もなかった。ただ一人、タオル一枚だけのシエスタしかいなかったことに奇妙なものを覚えさせらえただけだった。
「またご謙遜を。サイトさんがいなければ、きっと私、あのおばあさんの怪物に…その後にも現れた怪獣に食べられていました」
しかしシエスタは気づかない。
「で、でも…俺結局何もしてないよ。ルイズたちにも迷惑かけちゃったし…」
 その通りだ、俺は結局大したことなんか何もできなかった。キュルケが用意してくれたせっかくの家宝(エロ本だが)も無駄になってしまったし、タバサにはわざわざ使い魔の風竜を使わせてもらったり、ルイズに要らない心配をかけた。しかもあの怪獣との戦いで己の意思を無関係に本来のサイズと比べて一回り小さいサイズのゼロに変身してしまったのだ。そんなちっぽけな体で怪獣と真正面から渡り合うことなんてできないとわかっていたのに。ゼロによると、自分とゼロが一緒に戦
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