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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
27 琴座の始動
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工具を取り出し、上部の蓋を開いた。
一見、厳重に塞がれているようで非常時には出入りすることを前提としているのか金属製の蓋は呆気無く外れた。
ゆっくりと空間から頭を出して周囲に誰いないことを確認すると、彩斗は両手に力を入れ下水道から学校の地下4階へと飛び込んだ。

「....ボイラー室か...16時24分、概ね計画通り」

彩斗は左腕につけていたCITIZEN・アテッサ エコドライブ ダイレクトフライトは電波が使えない中でも正確な時間を刻んでいた。
ブルーダイアルのクロノグラフ、ワールドタイムに定期的な電池交換の必要のないエコドライブ機構、軽量なチタンに特殊なコーティングがなされ、どんな服装にでもマッチするデザインと普段から役立つ多機能性に惹かれて購入したものだ。
そしてポケットからMotorola・ PHOTON Q 4Gを取り出し、PCからコピーしたデータを表示させた。

「ここを出たら20メートル直進、左に曲がって20メートル直進でサーバールームのエントランスか」

彩斗は情報を確認すると、物音を立てないようにボイラー室の扉を開き、廊下を歩いて行く。
耳を澄まして周囲の気配を確認する。
そして防犯カメラの位置を確認し、死角を通ってサーバールームの扉を見た。

「...カメラに完全に写らないのは無理か」

彩斗は少し引き返し、「機械室」と書かれたプレートの部屋へと入った。
多くのパイプが音を立てているため、音を潜める必要は無くなり一呼吸置く。
既に心臓がバクバクと鳴って破裂する寸前だというのに、今までにない程に冷静という自分でも驚きが隠せなかった。
緊張しすぎて頭に血を昇らせる余裕が逆に無くなってしまったのだろう。

「上か」

彩斗は再び工具で天井の空調ダクトのカバーを外した。
ここを通れば、カメラには写らずに済む。
それにValkyrieの意表を突くことにも繋がる。
ポケットからハートレスから渡された銃を取り出す。
ハートレスが言うにはハートレスやアイリスには撃てなかったらしいが、何かを発射する小型のレールガンらしい。
取り敢えずの北欧神話の雷神の名から『トール・ショット』と名づけた。
まるで宝石のように繋ぎ目のない美しいデザインでもはや武器とすら思えない。
倒れていた自分が持っていたというが、全く身に覚え無い。
どうやって手に入れたのか、心当たりとしてはスターダストに電波変換したことくらいだった。

「ふぅ...」

彩斗は深呼吸をすると、それをしっかりと握りしめ、目の前のパイプを踏み台にダクトへと侵入した。



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