憎悪との対峙
27 琴座の始動
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?』
「ゴメン!!びっくりした....」
『でも今のバイクもバイクよ!!信号無視してたこっちが悪いけど、全くスピードを落とさなかったわ。普通、ぶつかりそうになったらブレーキくらい掛けるものじゃないの!?』
「いや...私がいきなり飛び出したからそんな暇なかったのかも...」
『免許取り立てで調子に乗ってただけでしょ、どうせ』
ミソラはテールのウインカーを上げ交差点を左に曲がるバイクの後ろ姿を見た。
形は典型的なリッタースポーツ、青と白のカラーリングが特徴的、進行方向は学校のグラウンドの方向だった。
「.....」
ミソラは何か違和感を感じながら、信号が青になると走り出した。
あの方向はグラウンドがあるだけで行き止まりだ。
確かに普段なら試合やら練習やらで教育者や保護者が車で行こうとすることはあるだろう。
だが今のタイミングというのはどう考えてもおかしかった。
時刻は16時13分、もうすぐ日が暮れる。
ミソラは何かが起こる前触れのような気がしながら、学校裏に向う。
高いフェンスが侵入者を拒む。
常人には何の備えも無しに上ることはまず不可能、しかしそのために誰もそこから侵入しようとしない上、人通りも少なく、見張りもない。
これはミソラに取っては好条件だった。
「行くよ..」
『ええ』
ミソラはかぶっていたウィッグと帽子、そして掛けていたサングラスを投げ捨てト、ランサーを背負っていたギターに繋ぎ叫んだ。
『電波変換!!響ミソラ!!オン・エア!!!』
一瞬にしてミソラはピンク色の渦に包まれ、姿を変えた。
水色のバイザーにワンピース状のピンクのスーツ、ベレー帽のようなヘルメットからはみ出た艶のある金髪の髪。
響ミソラとハープが電波変換した姿、ハープ・ノートだった。
「ハッ!!」
ハープ・ノートは足に力を込め、一気にフェンスと飛び越えた。
「誰もいないや」
『まさかこのフェンスを飛び越えてくるとは犯人たちも考えてないでしょうからね』
ハープ・ノートはプールの裏に回り、部室が並ぶ例の場所へとやってきた。
早速、噂のマンホールを力ずくで開けた。
「...ハープ...行くよ」
『分かったわ』
先に続く暗黒の下水道にハープ・ノートは若干、背筋に悪寒が走った。
照明も無ければ、人がいるわけでもなく、いてもネズミやペットショップから流出した動物くらいという今まで自分が見たこともないような世界が広がっているのだ。
いくら電波人間でも中身は歳相応の少女なのだった。
しかしスズカの事を再び思い返し、深呼吸をすると一気に下水道へと飛び込んだ。
「ここか...」
バッグの中から
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