暁 〜小説投稿サイト〜
神器持ちの魔法使い
フェニックス
第15話
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、浮かれすぎてたのか?

「どうした、赤龍帝。お前の意地も覚悟もこの程度なのか?」

「なん……だと……?」

「ま、それが今の限界だ。たかが10日で劇的に強くなる訳がないとはいえ、少し前まで一般人だったことを考えればマシな方か」

「……限界? そん、なのっ、勝手にテメェがきめるのんじゃねえよ」

口に溜まった治を吐き捨て叫ぶ。
何度も拳を蹴りを炎を受け続けた体に喝を入れる。

正直言ってきついし怖い。
あの時、部室で浴びせられた感覚がずっと続いている。
それでも、勝たなきゃいけないんだ。

「俺は、まだ立っている。脚だって動く。拳だって握れる。俺は、俺はッ」

「ほぉ……」

ヤローが唇を釣り上げる。
その眼に見下したような様子はなく、ただただ俺を称賛するようなそんな眼を向けてきた。

「……でも、本当に覚悟が足りなかったのかもしれねぇ。―――ドライグ!」

『―――本当にいいんだな?』

「ああ、部長を守ることができるのなら、こいつを―――ライザーを倒せることができるのならなんだってしてやるッ!」

『良く咆えた相棒! いいだろう、存分に俺の力を使いこなしてみろ!!』

「応ッ! 行くぞライザァァァアアアアアアアア!!」

『Welsh Dragon over booster!!!』

籠手の宝玉から赤い光が漏れだし、一帯を覆った。
真紅のオーラがまとわり、ドライグの力が体中に駆け巡っていく!

「赤い鎧・・・・・・まさか禁手、ではないのか。一時的に引き出したのか」

余裕の顔をぶん殴るために左拳を握り、さっきまでとは比じゃないスピードで一気に距離を詰める。

「速くなったがこの程度!」

炎が迫って来るけど関係ねぇえ!
鎧のお陰でいままで程の熱も痛みもない。
そのまま炎を突き抜けた。

「ぐッ」

「ついでにコイツもくれてやらぁ!」

左拳の中にあったソレを握りつぶしてそのまま押し付ける。

『Transfer!!!』

ソレに『赤龍帝の贈物《ブーステッド・ギフト》』で一気に効力を倍加させる。

「ガアアアアッ! まさか、聖水、か!?」

「ああそうだ! 試合の前日にアージアにもらった聖水に倍化をかけた。悪魔にはかなり効くだろうな!」

「だがッ、貴様も悪魔だ、タダで済むわけが……まさかその腕は!?」

「テメェを倒し、部長を守るためなら腕の一本ぐらいくれてやらぁ!」

左腕は対価にくれてやった。
ゲーム前に渋っていたがここで、それも敵のライザーの言葉で決意が付いた。
聖水を浴びても竜の腕だからなんてことはねえ!

絶対に負けたくねえ!!
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