第十二章 妖精達の休日
プロローグ 混迷の食堂
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を無視してテーブルの上に山と積まれた料理をもぐもぐと食べて―――否喰らっていた。
それぞれ男子女子と違うが、集団にぐるりと囲まれている二人の女子生徒。
二人共どちらも極めて美しい少女である。
同じく金の髪を持つ二人の女生徒ではあるが、それ以外は全く正反対であった。
一人は他を圧倒する程の悩ましげな肉体と輝かんばかりの美貌を持つ深く帽子を被った少女。
もう一人はスラリとしたスタイルと凛々しく涼やかな美貌を持つ少女。
どちらも類い希な美貌を持つ少女であるが、その方向性は違っていた。例えるなら、帽子を被った少女は太陽で、帽子を被っていない少女は月と言った感じである。そして太陽を取り囲むのが男子生徒であり、月を取り囲むのが女子生徒であった。
トリステイン魔法学院に三日前、突如として降臨した太陽と月。
その正体は―――。
「しかしティファニア嬢が男に人気があるのは分かるんだが、どうしてアルトリア嬢があんなに女子に人気があるんだ?」
ティファニアとセイバーの二人であった。
つまり―――。
太陽―――ティファニア。
月―――アルトリア。
―――と言うことである。
士郎はセイバーたちから視線を外すと、ギーシュの横に座り首を傾げるギムリに顔を向けた。
「まあ、セイバーは格好良いからな」
「うん、と、言うか中性的な所がありますよね彼女は。別に男らしいと言うわけじゃないんですが……見るからに華奢ですし、見た感じだと深窓のお姫様と言った所なんですが、何故かそう、雰囲気とでも言えばいいのか……」
そのギムリの横で、レイナールが眼鏡のブリッジを人差し指で持ち上げながら首を傾げた。
「あ〜、そう言えばこの前彼女が階段から落ちてきた女生徒をお姫様抱っこで助けてたよ。その助けられたってのがほら、新入生にいるだろ、気の強いあの噂のお姫さま。この前ぼくがお茶に誘ったら物凄い冷たい目で『豚が話しかけるな』ってっ、ふ、ぶひ、ふひひ……な、中々見所のある子だったんだけど、それが真っ赤な顔してまるで王子様でも見るかのような顔してたんだよ。もう一目でメロメロって感じだったね。しかも彼女だけじゃなく周りにいた他の女子たちもだよ。まいったよあれは」
ギムリの逆側、ギーシュの隣で指に付いた油を舐めながらマリコルヌが鼻息を荒くする。そのマリコルヌの話を聞いたレイナールがうんうんと頷く。
「何処が見所があるかはあえて聞かないけど、まあ、そう言う所がいいんだろうね。王子様って言うのは言い得て妙かもしれないよ。何か身体に一本の芯があるって言うか、ああ、そう、やっぱり隊長の言う通り格好良いんだよね彼女。でも、男っぽいってわけでもないんだよね。その証拠にティファニア嬢と違ってアルトリア嬢は女子生徒以外
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ