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うどん
第四章
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第四章

「ひょっとしたら」
「近所にあったかしら」
 ワンダも夫の言葉を聞いてそのことを考えた。
「和食のお店って」
「その前にうどんがある?」
「さあ」
 実はマークしていない。だからわかる筈もなかった。
「見たことないわね」
「参ったな。じゃあ食べられないよ」
 彼はそのことを思ってそれだけで困り果てた顔になってしまった。
「近所にないんじゃ。どうしよう」
「作る?」
 ワンダはふと夫に対して言ってきた。
「作るって?」
「だから。自分達でよ」
 こう夫に提案するのだった。
「このおうどんを。どうかしら」
「僕達で作るの」
「なければ作るしかないわ」
 また随分と積極的な意見であった。
「そうでしょう?だからよ」
「作るんだ」
 その言葉を聞いて今一つ積極的でなさそうなアレンだった。
「できるかな、僕に」
「ウッディ」
 ここでワンダは優しい笑みを浮かべて夫に対して言ってきた。ベッドの上に二人並んで座っているのでその顔が実によく見える。
「弱気は駄目よ」
「駄目なんだ」
「それよりもやってみることよ」
「やってみるんだね」
「そういうことよ。最初は駄目でもいいじゃない」
 あえて失敗を述べてみせるのだった。
「それでもね。やらないとね」
「そうかな」
「そうよ。どうかしら」
 ここまで言ってアレンの顔を覗き込んできたのだった。
「やってみるってことで」
「そうだね。じゃあそれで」
 アレンも納得した顔で頷いくのだった。
「ニュージーランドに帰ってみたらやってみようか」
「そうね。是非にね」
 こう言い合って約束するのだった。そうしてニュージーランドに帰ると実際に。二人は早速材料を買い集めて自宅でうどんを作り出したのだった。
 アメリカ風の見事なキッチンにおいて。二人は並んで立って仕事にかかるのだった。キッチンには既にうどんの材料が全て置かれている。
「はじめるんだね」
「ええ。まずは」
「だしを取ってうどんをこねて」
「はじまりから随分大変ね」
 ワンダは困ったような笑みを浮かべて言葉を返すのだった。
「手間がかかるっていうか」
「手間がかかるのが和食なのよ」
 また夫に対して述べる。
「それはね。どうしてもね」
「やれやれって感じだけれど」
「どうしたの?」
「これはこれで楽しいね」
 こう述べるアレンであった。
「何かね。大変でも」
「そうね、確かにね」
 アレンはうどんをこねワンダはだしの用意をしていた。用意をしつつ話をしていたのである。水を入れた鍋に煮干に昆布が入れられていっている。
「楽しいわ」
「そうだね。何か好きになってきたよ」
 額に汗をかきつつ妻に言葉を返す。汗を左手でぬぐう。
「少しずつだけれど」
「好
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