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「メ」から始まる異世界日記
造られた世界
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れていたら…」
その子をなでながら涙ながらに話しかけるティラミスの姿は…正直、目をそらしたかった。でもそうできなかった。もう少しはやく到着できていれば助けられたかも知れなかった。だから、自己満足なのはわかってるけど…それが償いであるかのように思えた。
「17…と書いてあります。やはりこの子も…」
とにかく、この洞窟から3人の造られた人が見つかった。
ティラミスも衰弱してたって聞いたし、あかりも倒れてた。そして、この子も…
この場所の持つ意味を理解していくにつれて怒りがこみ上げてきた。
「あははっ! お姉ちゃんかな? そこでその出来損ないを抱っこしてるのは!」
「お姉ちゃんじゃない。出来損ないだよ」
ぶちぬかれた天井から下をのぞいているのは瓜二つの顔を持つ子供。その目は、まるで遊園地の観覧車からはしゃぎながら下を見ているかのようだった。
「ねぇ、お兄ちゃん。すこし遊んでいこうよ!」
「そうだね、おもちゃがふたつもあるし」
「ひとつずつだからねっ♪」
俺の中で、なにかが切れた。
「おもちゃ…? 誰のこと言ってんだ…?」
「決まってるじゃない! No.3とNo.23のことだよ〜!」
「ふ〜ん…そっかぁ…そうなんだ〜 じゃあさ、そのおもちゃと遊ぶ前にさぁ…あたしと遊んでくれるかなぁ…?」
ミドリが本気で怒った。前までの雰囲気はどこへやら、一瞬で豹変した。
「おもしろいな。僕も一緒に遊ばせてもらうよ」
男の子の目が赤く光った。
「ティラミス…あかりを頼む。ミドリ! 援護する!」
「2人とも、気をつけて」
この状況だとティラミスを戦わせるのはダメだ。なにがどう、とは言えないけど。
日本刀を精錬し、戦闘態勢に入る俺の横でミドリも腰のポーチから手裏剣を取り出す。
ミドリの能力は加護。自然の力を使える。今は風の力を使ったのか彼女を取り囲むように風がふいている。そして彼女は魔法こそつかえないものの、世間では《くのいち》と呼ばれる。風の力とあいまってスピードは一級品だ。
「へぇ…創造系と加護系の能力か。楽しみだ」



その頃、遅れて洞窟の入り口付近まできたロミオは我が目を疑った。目の前の光景がとても信じられなかった。これは俺でもビビる。
その女は驚くことに男の首筋に噛みついていた。
「これは対価なのよ…あなたもお相手する?」
「た…対価…? お嬢さんもしかして…」
「そう、魔法使いを超えた存在って知ってる?」
「契約魔導師…」
「あ・た・り」
何もなければロミオならホイホイついていくくらいの美人さんなんだが…
「こりゃ…まったく…にしても契約魔導師とはね…珍しい」
契約魔導師とは、かなり強い魔法使う。いきなり火山を爆発させたりと冗談でもやめてほしいような能力を使うことができる。ただし、力が強すぎるためその
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