暁 〜小説投稿サイト〜
妖精の義兄妹の絆
ジェラールとエルザ
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
向かっていった。










ゴゴゴゴ

ここはワース樹海の最奥部
「てめぇの記憶がねぇのはよくわかった。どうりで心の声が聴こえねぇ訳だ。」
岩陰から姿を現したのは六魔将軍のコブラだった。
「!!」
「六魔将軍!!?」
「どうやってここまで来た?で、なぜニルヴァーナの封印を解いた?」
体に蛇を巻き付けながらコブラはジェラールに問いただした。
蛇もコブラに賛同するかのように大きな口をあけ吠えている。
「眠っている時に誰かの声が聞こえた。「ニルヴァーナを手にいれる。」…と。
かすかにその魔法と隠し場所を覚えていた。」
ジェラールはコブラの質問に素直に答え、こう続けた。
「これは危険な魔法だ。誰の手にも渡してはいけない。









だから完全に破壊する為に封印を解いた。」
「な…!!!!」
「ニルヴァーナを破壊する…だと?」
確かにジェラールはそう言った。この巨大な建築物を破壊できるか不審に感じたがその考えは次の一言で破られた。
「自律崩壊魔法陣を既に組み込んだ。ニルヴァーナは間もなく自ら消滅するだろう。」
ジェラールがそう言ったのと同時にニルヴァーナに奇怪な魔法陣が広がっていた。
「てめェ!!!!何て事を!!!!くそぉーっ!!!」
コブラはジェラールを無視して一目散にニルヴァーナに駆け寄った。
「その解除コードはオレしか知らない。」
「ジェラール。」

キキキ キキキ キキキ

魔法陣はみるみる音をたてて広がっている。コブラが魔法陣の解除を試みたがまったく歯が立たない。
「なんだよ、この高度な魔法陣は…。このままじゃニルヴァーナが崩壊する!!!!
ジェラール!!!解除コードを吐きやがれっ!!!!」
コブラがジェラールに吠えたその時、

コプッ

ジェラールは吐血した。
「エルザ…その名前からはやさしさを感じる。やさしくて、明るくて、あたたかさを感じる。
きっと君はオレを憎み続ける。それは仕方ない当然の事だ。しかし、憎しみは心の自由を奪い君自信を蝕む。」
「お、おまえ…。」
「オレはそこまで行けない…。」

キキキ…

ジェラールの体に魔法陣が浮き出る。
「君の前にはいけ…ない…。」
「こいつ…。」
そして、
「ジェラールから解放…され…るんだ。君の憎しみも悲しみ…も…オレが…つれていく。」
ジェラールの体にはニルヴァーナに組み込まれたのと同じ自律崩壊魔法陣が発動していた。
その姿にエルザは声を出すことすら出来なかった。
「自らの体にも自律崩壊魔法陣を…!!!!」
「君は、自由だ…。」

ドッ

ジェラールは体力が無くなりその場に倒れた。
エルザは涙を流しながらジェラールの元へと走った。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ