第五話 遺志
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サンタローズ村。その村はアベルの故郷の村だった。今はもうない。平和だった村は。
「なんて…ひどい」
サンタローズ村は最早廃村と化していた。住んでいる人もほんの僅かな人だけだった。
話を聞くとアベルの父親パパスがヘンリー王子を誘拐し、その報復にラインハット王妃が村を焼き払ったとのことだった。
私は怒りに震えた。
「ひどい!ひどすぎる!何の罪もない村を焼き払いパパスさんに罪をなすりつけ!人間とは思えない!」
ヘンリーも怒っていた。
「よくもアベルの故郷を焼きやがって!」
だが、一つだけの救いはあった。
神父様によると、ラインハットの兵士は住民を皆逃がしてから村を焼いたとのことだった。兵士にとっても村を攻めるのは不本意だったらしい。
その事を聞いて一番ホッとしてたのはアベルだった。
「よかった。村の人達が全員無事で。サンチョは?」
「サンチョさんはパパスさんとアベルがラインハットに行った後にやはり不安だとラインハットに向かってそのまま帰って来てないよ」
「そうか……。ありがとう神父様」
教会を出ると、アベルはこう言った。
「これから洞窟に行く。父があそこに何かをしにいった。僕は父があそこで何をしていたかのかを知りたい」
私達はイカダに乗り洞窟に入った。洞窟の中は薄暗く、魔物もでた。
「そっち行った!スラリんちゃん!」
「ええい。ニフラム〜!」
はぅ。やはりスラリんちゃんの声はかわええのう。必死に呪文唱えてる姿もかわいいし。ホント癒される〜。てか和む。
「ミレイ危ない!」
「え?うわっ!メラ!」
やべえ。スラリんちゃんLOVEしてたら襲われてた。少し自重しよう。
「気をつけてくれよミレイ」
「ごめんアベル」
その後も探索は続き何故かあるベクトル床を乗り越えそして最下層。そこには宝箱があった。
アベルが中を空けると中身は手紙と一振りの剣だった。アベルは手紙を読みはじめた。
『アベルへ。お前がこの手紙を読んでいるという事は私は何らかの理由でお前の側にはいないのだろう。お前と過ごせる時が無くなってしまったのはとても悲しい。お前の子供をこの手で抱き上げる事が出来なくなったのは悲しい。マーサ、サンチョと4人でいられなくなったのは悲しい。だがアベル。お前に伝えておくべき事がある。すでに知っていると思うが、私の妻でありお前の母のマーサは魔界に連れ去られた。マーサには不思議な力があった。それ故に魔物に狙われ連れ去られたのだろう。私の調べでは、マーサを魔界から連れ戻せるのは天空の武器防具を身につけた勇者しかいない。アベルよ!勇者とともにマーサを救い出してくれ!私はお前を信じている。側に居れなくなっ
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