二十話 再影
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で。
どんなに遅くても10時以降に外にいることはほとんどない。
例外として、前日のような場合とかがあるが。
ともかく、そういうわけで俺はあまりこの時間帯に開いている店や、この時間帯に入っても追い出されない店を知らないのだ。
「じゃあ、そこ行きましょうか」
俺はそう言うと、先輩を待たずに、先ほど先輩が指差した方へと歩き出す。
「あっ」
先輩が俺を追いかけてくる。
あっちにあるファミレスは一つしかない。
方角さえ教えてもらえば、それがどの店なのか判断できる。
「もうそろそろ12時ですね」
現在の時刻は11:50。
ファミレスに入って、大体40分程度が経った。
先輩がひたすらしゃべり続けるという、なんとも男女立場が逆のパターンだった。
話ながら、先輩はコーヒーを、俺は紅茶とたまにケーキを注文した。
「あ、もうそんな時間なんだ」
さっきまでは俺と一緒にいることが嬉しいのか、楽しいそうにしていた先輩だったが、昨日のことを思い出したのだろう。
途端に顔に恐怖の色が現れる。
「一旦、先輩のほうの寮まで戻りましょう」
「え?なんで?」
「ここだと、前みたいなことがあったときに色々邪魔ですし」
ファミレスの中には机と椅子が、びっしりとまではいかないが並べられている。
逃げるにしても、万が一戦うにしてもそれをするのに十分なスペースがここにはない。
「わかった」
先輩が頷いたのを見て、俺は立ち上がり会計を済ませにいく。
大した額ではないので、ここは俺が驕るというものだろう。
「あ、別に私出したのに」
先輩が少し残念そうに呟く。
「俺も男なんで、こういう時くらい見栄張らしてくださいよ」
そう言って俺と先輩はファミレスを出た。
そして、先輩の寮の前に着いた。
時刻は11:58。
俺は12時ジャストに影時間に入ることを知っているので、心構えが出来ていたのだが、先輩の方はいつ影時間に入るかわからないので俺の傍を離れようとはしなかった。
「ふぅ」
息を吐く。
先輩にはいざとなったら寮の中に逃げてもらうことにしている。
まず、ここで確認しなければならないことがある。
俺の目的は、寮の中が安全なのか、ということ。
予想ではほぼ100%安全だと思う。
その予想をするにあたってもう一つ確かめなければならないことがある。
シャドウは目で(あの黒スライムに目が見えているのかは知らないが)見て、人を襲うのか、それとも影時間中にいる人間の気配的なものがわかっているのか。
それを確かめることが出来れば、おのずと
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