後悔
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込む茜色の光の筋が
研究室の中を漂うホコリによって鮮明になる
僕は今まで向かい合っていたノートパソコンを閉じた
もうすぐ今日が終わる
机の上に広げていた物をバッグに丁寧に片付け、研究室を出た
僕のアパートまでは歩いて10分程度なのだが
今日はバイトも無いし、なんだか家に帰りたくない
「散歩でもして帰りますか・・・」
そしていつもとは逆の方向に歩き出した
大学の周辺には学生の住むアパートが群がるようにそびえたっていて
彼らをターゲットとした商店や建物が軒を連ねている
パン屋、美容室、スーパー、コンビ二、そして神社
神社はこじんまりとしており正直ご利益があるかどうかあやしい
・・・そもそも、「ご利益」ってのがまず怪しいのだが
神社の前を通過しながら不謹慎な事を考えたものだ・・・
・・・・・!
突然、地面が迫ってくる
足を踏み出そうにも反応が無い
「・・・・・!」
前方に90度傾く上半身
視界に入った僕の下半身は、しっかりと地面に立っていた
「あれ?」
上下に分かれた僕の切断面から、赤いどろっとした液体が流れ出す
ヤバイ、死んじゃう。
僕は身を引き裂かれるような痛み(実際裂けてる)を感じながら
10分前に跳んだ
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「 ふぅ 」
このままあるけば10分後にはまた死ぬのか
しかしなんで真っ二つなんだ?
冷や汗だらだらで、自分がまだ生きてることを確認する
「 足は・・・・・ついてるな よし。」
通り魔? 連続殺人犯?
最近ニュース見てないから情報が足りないのかもしれない
とにかく、違う道から帰ろう
細心の注意を払いながら、びくびくと進んだ僕が家に着いたのは
大学を出てから2時間後だった
家に到着すると、玄関の鍵をかける
いつもは使わないが、今日はしっかりと2重ロックをした
そして久しぶりにテレビを点ける
『一週間前に〇〇大学周辺で起きた殺人事件の犯人は未だ逃亡を続けており・・・・』
「・・・・・」
絶句した
逃走した犯人とエンカウントするなんて、自分の不運を呪うしかない
「僕じゃなかったら、被害者がもう1人でてるよ・・・」
自分の能力を過信しているわ
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