SAO編−白百合の刃−
SAO17-白の死神
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死んでしまうくらい。わかっていないような人じゃないよね」
「…………」
覚えがないが、私は安全地帯にたどり着いて寝てしまったようだ。きっと彼女は睡眠PK防止のために、傍にいたんだろう。だから私は彼女に迷惑をかけてしまったことは申し訳ないと思っているけど……。
心情にズガズカと踏み入れ、言いたい放題されたら嫌でも反撃する。そうでもしないと…………自分が保てられなかった。
「なんなんですか! 私には見えているみたいな言い方してさ! 貴女には何も関係ないじゃないですか!」
防衛戦だ。
私は彼女を用意されている言葉を知っている。
彼女は私が実はあれこれ理由をつけて逃げ道を歩んでいることを見破っている。そして底がない暗い海に沈んでいることも見破っている。
わかっている。
わかっている!
言わなくてもわかっているから! お願いだからその言葉だけは……。
「無理して戦ったんだから、“しょうがない”、“抗えない”、“仕方がない”と言う理由をつければ死んで文句はない。だから無理して行動して、この世界の皆を救いたい理由をつけて死にたいだけ」
「やめて!!」
私は身を守るように彼女にしがみついた。
…………こんなに突きつけられた言葉が痛いんだったら、嫌でも殺人ギルドに頼んで自分を殺せば、こんなにも惨めな気持ちになったりせず、海中で溺れるような苦しみなんて味わうことなかったのかな…………?
私…………貴女に何かした? そんなに私のことが気にくわない? そんなに私って迷惑な存在だった? そんなに私のこと消えてほしかった?
駄目。口を開いたら、後悔する言葉をぶつけてしまう。
言ってしまえば自分の意識だけでは、もう止まれない。知らない人に八つ当たりするような形になってしまう。
その言葉を、ぶつけたって意味ないことわかっている。言ってしまえば情けない姿をさらけ出してしまう。
惨めになっても、誰も助けてはくれない。ただ虚しいだけ、ただ苦しいだけ、ただ悲しいだけだ。
「しょうがないじゃない…………」
けど、もう…………駄目だ。
もう……遅い。
「私なんて、いないほうがいいんたがらさ!!」
堪えきることすら苦痛に感じるなら、口に出して苦痛を与えるほうがマシだった。
「仲間も、信頼する者も、守る相手も、約束した相手も、見捨てて殺してしまった! そんな私が生きていいはずがないんだ! けど、死ぬのが怖くて、わかんなくなって、仕方がないで済まされるような理由つけて死に場所を探すしか答えが見つかんなかったの! 苦しいよ!! 痛いよ!! 泣きたいよ!! 眼を覚ましても眠りについても苦しいよ!! でも死ぬ勇気がないから死に切れなくて、そんな情けない自分が嫌いになるばかりだったよ!
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