暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO17-白の死神
[8/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
容赦なく、その言葉を現実に変えるように口にした。

「いくら早く攻略しても、あと二、三年はかかる。たかが数ヵ月、数日、数時間がずれるだけよ。年の差なんて対して変わらない。一人が勝手に急いだところでも、みんなが一斉に急いでゲームクリアを目指しても、変わらないだけだし、効率も悪いわ。それに、いくら貴女が強くても、そんな普通じゃない状態でボス戦やったところで無駄死にするだけよ」

 正直、私が一人走ったって確実に二、三年かかることぐらいは自覚していた。私もそこまでバカじゃない、無謀なことくらいわかっている。そして例え、みんなが急ごうとしたところで今のペースと対して変わらないだけじゃなく、効率が悪くなるってこともわかっている。
 疲れてしまったら、休む。それが普通にいいことなのは承知済みだ。
 
 でも、だからって……。

「だから、なんなのですか……っ!」

 彼女も、私の行動を慎め……そう言いたいんですか。一刻も早く、現実世界に帰りたい人がいるんですよ。そんな人達を救うのも攻略組の務めじゃないの? 

「私なんか、放っておけばいいじゃないですか!」

 聞きたくない、彼女の言葉なんか聞きたくない。誰とも関わりたくない。
 立ち去ろう。前に進もう。私のやるべきことはソードアート・オンラインをクリアすること。一秒よりも早くクリアしなければならないんだ、

「美しい死を望んでいるからでしょ、貴女が人の話を聞かないのは」

 それは全てを凍りつかし、粉々にするような突き刺さる言葉だった。
 その言葉は…………聞きたくなかった。頭の中を真っ白にさせ、思考を停止させられる言葉に縛られる感じがしたから。
 私は彼女の言葉なんて聞きたくない。でも、彼女が口を閉じることはない。

「覚えているかしら、私達、血聖騎士団から貴女に言ったこと。そんなに急いでなにをしたいのか? 何を求めているかって」

 血聖騎士団から、そのような問をかけられたことは覚えている。私が単独でボスを倒したことから本格的に私の存在が問題児とされたことへの質問だった。
 彼女は私が黙秘することをわかっていたのか、私が口を開く前に、話し続けた。

「それに対して貴女は、『この世界から逃れたいと思う人々、この世界に恐怖を抱いている人々を救うため』だと……そう答えたわ」

 彼女は見えていたんだ。私が歩み続けている道が、

「それを理由にして」

 真っ直ぐではなく、

「死ぬことを望んでいるのよ。貴女は」

 逃げ道だって言うことをが、彼女は見えていたんだ。そして私が道なんか歩んではなく、真っ暗な海へ、もがくことなく沈んでいることも見破られていた。

「自暴自棄になったまま百層へたどり着けるわけじゃない。そんな状態なら、いずれ消滅して
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ