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SAO編−白百合の刃−
SAO17-白の死神
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なるようにできている。私に結末を選ぶ価値などない。

 …………スケテ。

 それでいいんだ。

 ダレ…………。

 都合のいいハッピーエンドなんて、用意されたとしても、無くなったんだ。

 ダレ……カ…………。

 こんな最低な自分なんて、

 …………タス……ケテ。

 消えていなくなったほうがいいんだ。

 ダレ……カ……タスケテ。

 ダレカ、タスケテ。

 タスケテ。



 映る景色が変わった。光が届かない闇の深海から、薄暗い部屋の中にいることを理解出来た。
 単なる夢だった。それもハッキリと内容が覚えている悪夢だったんだと。いつも見てしまう…現実か夢かもわからない夢。目が覚めても意識が眠っても、私の居場所などない。やがて消えるのが私の結末。
 都合の良い幸せを選ぶ権利などない。私は、サチを、みんなを殺し、兄を悲しませた。その罪と重さを私は裁からなければいけないんだわ。
 何気なく体を起こした時、やや右隣から人気を察した。

「やっと起きたか」

 その声は透き通った音色、間違いなく女性の声。声の主を見れば、清らかな長い黒髪の美少女で服装は白と赤を基調する騎士っぽい。血聖騎士団の一員だと確信した。

「貴女寝過ぎよ。家に帰って休めばいいのに、そこまで攻略厨なのかしら? 『白の死神』」

 その人は冷淡に発言をした。
 彼女だけではなく、血聖騎士団にも私が攻略し過ぎだと、休暇をとるように命令してきた。もちろん私は断った。実力行使とは言わず、何度も口出しをしてきたけど、私にはサチみたいに恐怖を抱いている人から早く解放されるように、私は一秒よりも早くゲームクリアを目指しているだけだ。
 わかってもらおうとは思っていない。だけど、邪魔だけはしないでほしい。
 私にとって……前に進むことだけが、唯一と言っていい程、存在する価値があるんだ。

「…………ご忠告だけは受け取っていく」

 立ち上がって、メインメニューからマップを呼び出し、現在位置を確認。
 迷宮区の安全エリアか……、ここで休憩しようとしたら寝ちゃったのね。時間は六時四十五分。
 夜が明けても私はこのままボスに挑む。そうすれば少しはサチみたいに恐怖を抱いている人が安心するんじゃないかな。
 頑張らないと、早くゲームクリアをして……。

「無意味よ」

 氷のように冷たく透き通った言葉が突き刺さった。何故彼女がその言葉を言ったのか、人の心を読んでそう告げたのか、あるいは私がこれからボスに挑もうとしていたからなのか? どちらにせよ、その言葉に私は苛立ちを覚えていた。
 何故なら、無意味の意味を悟り、自覚してしまったから。
 私が望む本心を見透かされそうだったからである。

 そして彼女は
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