SAO編−白百合の刃−
SAO17-白の死神
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は、服装からの白、雰囲気が死神のようなことと、関わると碌なことばないことから『白の死神』と二つ名がつけられた。
それでもいい。なんて呼ばれようが、好かれるような価値に私はない。
私には、ゲーム攻略だけしか価値が残されていないんだ……。
立ち止まってはいけない、頼ってはいけない、助けを求めてはいけない、暖かい光の輪に入る資格なんてない。なにもかも暖かい物に触れることすら、私には価値はないんだわ。
……あれから何日が過ぎ、クリスマスイブからクリスマスを向かえていた。
今頃はイブを共に過ごす人やクリスマスを向かえる人達が多い中、私はいつもと変わらずに深夜、最前線を攻略するため迷宮区へ潜っていた。
頭痛が激しくなった日からの四日間は、正直何があったか覚えていなかった。攻略第一、レベル上げ第二を行動して、不眠不休で動いた結果かもしれない。
頭痛は少しギスギス痛む程度。でも、この程度で休んでいられない。サチのように未だに恐怖を抱いている人から安心させないといけない。だから、死ぬまでは止まることは許されない。
私はまるで覚束ない記憶の期間を埋めるように、必死に前へと進みだした。
●
…………どうして。
…………どうして私は、救えなかったのだろう。
私自身、強い方だと思っていたし、サチよりも強いと確信していた。でも、それは間違っていて、私は強がっているだけの弱くてちっぽけな存在だったんだ。
自分はサチより強い、自分は『月夜の黒猫団』よりも強いと勘違いしてしまった。その結果が、人の死と言う、潰れてしまいそうな…………重さだった。
あの日から、私は底知れぬ深い海へと沈んでいった。
サチの約束を裏切り、兄の味方になり守ろうとしたのを裏切り、自分自身を守るように全てを見捨て、逃げ出してしまった。それにより取り返しのつかないことになってしまった、私の罪。その罪の重さは、闇の深海へと沈み、浮き上がることなく光の空から遠ざかり、深い闇へと沈み、そして光は閉ざされた。
…………テ。
息が苦しい。
体が痛い。
頭が痛い。
足が痛い。
心が痛い。
手も足も、動かしても浮き上がることはないように感じた。声を出しても、闇と言う水に掻き消されて空どころか地上にも届かない。たとえ大声で叫んでも、泣き叫んでも私の声は届かない。
…………ケテ。
ただ、孤立するだけ。
ただ、孤独になるだけ。
ただ、底知れぬ深い海へと沈むだけ。
ただ、傷つけたり、傷つけられたりして、後は…………意識が途絶えることなく沈むか、泡となって消える。全てを見捨てた私にとっては最高の結末になるだろう。私がそれを望まないことだろうが、それが私の結末に
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