暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO17-白の死神
[4/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
人に…………救いをかける言葉も、助けを求めようとすることを、私には価値はなく、存在すら許されない」

 頭痛は未だに治まらない。
仕方ない。宿屋で少し休憩を取ろう。
 それに、ここにいると……クラインに心配されて辛い。
 心配されるような、存在じゃないんだ。そんな価値に私はない。

「お、おいキリカ!」

 クラインの慣れない慰めを口にしようとする前にここを立ち去るべき、早足で宿屋へ向かった。

「キリトが今、何をしようとするのかわかっているのかわかっているか!? あいつも無茶しようとして、危ない状態なんだぞ! もしかしたら、妹のためでもあるんじゃねぇのか、それって!」

 ……その問に、私は冷静に、

「……キリトと言うプレイヤーが何をしようが……彼の勝手。私が何か言う必要はない」

 他人事のように告げ、振り返らず宿屋へ向かった。

「お前ェら兄妹が自分を責め続けて、どんなこと思ってもなあ、心配する人のこと考えろな! 死ぬんじゃねぇぞ! 死んだら許さないからな!」
「…………っ」

 ありがとうという言葉をかけることもなく、ごめんと謝ることなく、耳を塞ぐように宿屋へ向かった。
 サチやケイタ達含めた『月夜の黒猫団』が消滅した日、私は泣き叫んだ。自分がしたことの後悔を何度も何度も悔やみながら、涙を流した。
 泣いたところで誰も助けてはくれないし、いつまでも泣いてもサチ達は戻っては来ない。そんなことをわからずに私は泣き叫び続けた。
 やがて涙は枯れ、立ち上がるしかない私に残された道は……ただ一つだけだった。
 この世界では、サチのように生きたいと強く願いながらも、戦うこと、武器を持つことに恐れている人がたくさんいる。
 何年、何月、何週、何日、何時、何分、何秒早く、とにかく早く、この世界からみんなが脱出すれば、そゲームに閉じ込められてしまった人々の恐怖、モンスターと戦う恐れ、武器を持って戦う恐さ、法律がないゲームの世界の悪から抜け出せる。
 だから私は、誰よりも強くなりつつ、早くゲームクリアすることが、たった一つの道だと、その道に足を踏み出した。
 その日から、好きな黒から嫌いな色の一つである白へと服装のカラーの基調が変わった。髪も銀髪に戻して、兄に対しても、キリトと他人のように扱い、荒っぽい言葉と性格も捨て、女の子らしくなろうと変えていく。これは過去の私を否定するための決心。生まれ変わる……と言い方はおかしくなるかもしれないが、変わらなければ、また同じ過ちを犯してしまうと思い込んだ結果。少なくとも、サチ達を置いてしまった弱い自分から変えたいとは思った、小さな一つの抵抗である。
 あの日から変わり、道を踏み出してから、私のゲーム攻略第一の行動は異常を超える異常だった。何週間は睡眠取らず、休憩は最低一
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ