SAO編−白百合の刃−
SAO16-約束の代償
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かできない。
「…………サチが求める答えとは違うけど、いいのか?」
「それでも答えて……」
結果的に傷つくだろうな。何もかも全部正しくても傷つき、それが嘘でも傷つく。いったい、どれを選択すれば、傷つけずに済むのだろう。そして答えが本当にあるのかな?
「私達は茅場晶彦の目的に巻き込まれた被害者みたいなもの。でも、この世界そのものが夢であるように、現実でもあると思う。私達はゲームの世界の実験動物みたいなもので、どう生きて死ぬか、喜び、悲しみ、怒り、楽しみ、苦しみなど味あわせることだけど、それは現実世界よりも生きることをより実感させるために、私達はやり場のない自由と理不尽さを与えられたのさ。なんせ、サチはこの世界から逃げたいと思っていて、私はこんな世界は嫌いじゃないと思っている」
正直、茅場晶彦がわかりやすい悪で欲しかった。わかりやすいデスゲームで欲しかった。ソードアート・オンラインの中で『キリカ』として、現実世界と同じように考え悩みながら生きてきた。彼はいつの日か、終わりを望んでいるかもしれない。この世界の始まりがあるように終わりもまた……。でなければ、茅場晶彦は私達を永久に閉じ込めることも出来るから。
だけど、終わってみればきっと…………寂しくなってしまうんだろうな。
だって、この世界が嫌いではないから……。
「そっかぁ……私は望んでもいないのに、巻き込まれちゃったのか……」
「望んでもいないからこそ……巻き込まれたんだ」
「しかも、現実世界よりも生きているって、感じちゃうのか……」
「サチ……」
この時、サチに全てを打ち明けるべきだった。数字が力のある世界では私と兄の本来の高いレベルを教えれば、少しの不安は剃られて、ささやかな安心を得られたかもしれない。
けど、打ち明ければ、私が兄を守ると言う気持ちも、兄自身も裏切ることになる。
私が勝手に偽って味方になったけども、私が離れたら兄の回りに誰がいるの?
私は兄を守るんだ。裏切ることなんて、できるわけがない!
「サチ」
私は……覚悟と言う本当の意味も知らず、とてもとても重くて薄い…………約束を告げてしまった。
「死にたくないなら……私が守る」
言うだけはタダだ。
だけど一度言ってしまえば、後戻りはできない。
「サチは、サチも含めた皆を……絶対に死なせない。安心しろ、私は……強いからな!」
そんなの口約束でしかない。綺麗事しかない。
十代の女の子にとっては重い、覚悟。
十代の女の子にとっては重くて薄い言葉。
そんなことを私は何も知らずに、ただただと、縛る言葉をかけた。
「……やっぱり双子なんだね。キリトも似たような言葉を言ってきたよ」
「うわぁ、ま、まじか……」
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