涙の主と嘘つきな従者
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薙刀を用いる舞踊が、フルールには昔からある。
ライアーは元々武器の扱いが上手い。
そして、アニストを演じる為に様々な舞踊も習得している。
勿論、薙刀を必要とする舞も習得済みだ。
つまり、舞に戦う為の基礎を足し、薙刀を握れば―――――ライアーにとっては、これ以上ないくらいに得意な戦闘方が出来上がる。
「主の危機とあらば、俺は――――――――」
地を蹴る。
スピードを落とさず、薙刀と化したフィレーシアンを握りしめ、一気にヒジリへと接近した。
ヒジリの目が、見開かれる。
「どんな状況であろうと、主の下へ参上する!」
叫び、右肩からの袈裟斬り。
ヒジリが何かを喚こうとしたのか口を開くが、ライアーは言葉を発する隙も与えない。
瞬時にフィレーシアンの柄でヒジリの鳩尾を突く。
バランスを崩したヒジリを睨むように見つめ、フィレーシアンの刃を横一線に向け―――
「魔海閃撃!!!!」
閃光のような速度で――――――空間を、裂いた。
あと少しでヒジリに到達する、という、僅かな距離を残して。
ブォオン!と空気の裂くような音を響かせたフィレーシアンを槍に戻し、ライアーは短く息を吐いた。
「安心しろ、殺しはしない。これ以上の流血も望まん」
短く告げ、見下ろす。
そこには、白目を剥いて気絶するヒジリが倒れていた。
「死への恐怖を忘れたお前には、恐怖の報復が相応しい」
返事はない。
それを解っていてライアーは呟き、何事も無かったかのように静かに歩みを進めた。
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