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第四十一話 同志と苦悩
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んとか食べさせようとする箒さん、そしてそれを見ていた周りの生徒達が順番待ちの列を作る。
僕と簪さん、ラウラさんにデュノアさんは騒動に巻き込まれないように少し離れた場所で見ていた……んだけど、すぐにデュノアさんにも織斑君と同じように順番待ちの列ができてしまった。
「あぅ。さ、西園寺さん助けてぇ……」
僕に助けを求めるデュノアさんだけど、すぐに女生徒の波に呑まれて見えなくなってしまう。うわぁ、あれには巻き込まれたくない。
……く、同志を救えないなんて僕はなんて無力なんだ!
「ふむ、他人事のような顔をしているがお前もだぞ?」
「……頑張って」
「はい?」
二人の言葉に振り返ると、そこには何故か同じような女生徒の集団。
なぜ?
「さ、西園寺さん……よかったらサンオイルを塗り合いませんか?」
「お姉様! あ、あの、ご一緒にビーチバレーなどどうでしょうか?」
「ご一緒に食事しましょう、西園寺さん!」
あれ? 僕って一年の子らには避けられていたような気がしたんだけど……?
いや、そうじゃなくて! というかサンオイル塗り合うってなにさ! 織斑君達に対する要求より、女子同士ということになっているせいか酷いことになってるよ!
助けを求めて周囲を見渡すも、ラウラさんと簪さんは既に離れた場所にいってしまった。
いつの間にあの二人も仲良くなったんだ……抜群の連携だ。
気付けば僕も女生徒達に囲まれ、彼女らの相手をする羽目になった。
もちろん、サンオイルは断ったけどね! 他はまぁ、常識的なものだったからよかったかな。
それより、いつの間にか同学年の皆が僕を受け入れてくれた事実が何より嬉しかった。この日、彼女らと話している中で聞いたところ、普段の振る舞いやトーナメントの活躍を見てファンになってくれたということだ。ちょっと気恥ずかしいけど、避けられるよりはずっといい。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
皆に少なからず受け入れられたのは嬉しいとはいえ、さすがに大人数を相手にすることに慣れていないこともあり、僕はすっかり疲れ果ててしまった。騒ぎは夕食まで続き、結局解放されたのは夜の自由時間だ。
温泉に入るわけにもいかないので、僕は大人しく部屋に戻ろうとしたところ何やら部屋の前に人だかりがいた……というか見慣れたメンツだった。
「……何をしているのですか?」
「しっ! 今いいところなの!」
鈴さんにセシリアさん、箒さん。さらにはデュノアさんやラウラさん、簪さんまで部屋の前に集まって、しかもなにやら聞き耳を立てている。
不思議に思いつつ、部屋の前まで歩み寄るとその謎はすぐに解けた。
『……んっ』
『千冬姉、大分ほぐれてきたかな?』
『あ、あぁ。
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