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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
009 忠告──と云う名の脅迫
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ったが、どうせお金を出して来て貰ったんだろう? 流石、≪ゼロのルイズ≫だな!」

「だな! ははははははっ!」

数多くではないが、それなりの数を読んでいた【ゼロの使い魔】の二次創作でもある程度の割合で起こるルイズへの嘲笑。

(……ルイズを笑ってる奴らはこの学院出たらどうするんだろうか?)

ふと、疑問。ルイズは魔法を使えないだけで、公爵家三女。しかも、これは笑ってる奴らには知り得ない事かも知れないが、アホリ──アンリエッタ王女とは竹馬の友。ルイズの不興を買えば貴族生命が絶たれてしまう可能性があるし、自分たちのランクはドット──若しくは、ラインが良いところ。……なのに、どうしてあんなに馬鹿に出来るのだろうか?

……とりあえず判らない事は置いて於いて、現状の見るに耐えない状況を打破せんとつぐんでいた口を開こうとした時、教室にピンッと、糸が張られた様な気がした。

「皆さんに忠告しておきます。これ以降、俺の主を馬鹿にする様な、泣かす様な発言をしたら──」

教室に糸の様なモノが張られた感覚がして数秒後。静かに、緩やかに──されど確かにサイトは言った。

「サイト、ダメよ。止めて。それ以上は言っちゃダメ」

ルイズはサイトが云わんとしている事を察知したのか、すぐさまサイトに諫言を投げ掛ける。……幻聴だろうが、私は確かに感じた。

『皆さんに忠告しておきます。これ以降、俺の主を馬鹿にする様な、泣かす様な発言をしたら──無かった事≠ノしてやる』

……と。サイトは迷う事なくそれ≠行動に移すだろう。

サイトの手拍子で教室に張られた糸の様なモノが弛められる。

(……それにしてもさっきの威圧感、サイト──真人君はいったいどんな修練を積んできたんだろう)

……教室で動けたのは多少の荒事に慣れているであろうタバサと、霧の様なモノに覆われていたルイズだけだった。

SIDE END

SIDE 平賀 才人

「シュヴルーズ先生、いきなり授業を中断してしまって申し訳ありませんでした。誠にお詫び申し上げます」

「いえ、私にも非は有ります。私がミス・ヴァリエールを名指ししなければ良かったの話ですし。……それでは皆さん、授業に入っていきましょうか」

それから、系統魔法についての説明をヒラヒラした服を着た軟派な男が饒舌に説明した後、“錬金”の魔法の実践はルイズ──ではなく、何故か俺がする事になった。

「……で、何を作ればいいんですか? シュヴルーズ先生」

「難しく考えなくても大丈夫ですよ? 貴方が思い浮かべる金属を作ってくれれば結構ですので」

(じゃあ、無難に鉄でもいいか)

教卓の上に置かれた石に、Fe──鉄の原子記号
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