第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十三話 因縁
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だが大和の方も多大に損害を受けており追撃をかけることが出来ず海を隔ててこの五十年程睨み合いが続いている。
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「もし熊襲がこの騒動の黒幕だとするなら目的は間違い無く大和、だと思う……まぁさっきも言った通り自身はあるけどまだ確証がないんだよね。今出来るのは警戒して情報を集める事くらいか」
僕の発言を継ぐ様に諏訪子が口を開く。
「後は百鬼丸の居所を探さないとね、あのデュラハンってやつが他に無いとは言い切れないしあんな物を何処かの街に放たれたら大惨事になる。それとは別に喧嘩を売られた以上叩き潰さないとね」
諏訪子の最後の台詞に僕と神奈子は苦笑いを浮かべるが、正直に言えば気持ちは諏訪子と全く一緒だ。
「まぁとりあえず今回の件は書類にして天照様に報告しないといけないね、早速作ろうか虚空手伝いな。…お待ちあんたもやるんだよ諏訪子!逃がしゃしないよ!」
神奈子はそう言うと気配と音を殺しながら部屋の入り口に四つんばいで移動していた諏訪子の足を掴み机の前まで引きずっていく。
「うえぇぇぇぇぇぇぇ!!いーーーやーーーーだーーーー!!仕事嫌ーーーーーい!!」
「あんたも此処に祀られてる神だろうが!!ちったーー働けアホ諏訪子!!」
「あたしは自由を愛する神様だい!!このバ神奈子!!」
「なんだってーーー!!やる気かい!!」
「おうさ!!やってやろうじゃないか!!」
言い争いをしていた二人は遂に取っ組み合いを始め僕の部屋は宛ら修羅達の死闘場へと変貌する。その部屋の隅で僕はちまちま報告書を書き始める。明日の朝御飯は何にしようかな、なんて現実逃避をしながら。
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