第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
四十三話 因縁
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ている様にも感じる。
「…つまり虚空は百鬼丸が殿朗に加担していたのはそのデュラハンって絡繰を動かす為の動力集めの為だった、と予想しているんだね?」
神奈子は机に頬杖を付きながら僕に視線を向け確認する様にそう聞いてくる。
「あくまで予想だけどね、天狗の里を襲撃したのも妖怪の子供が目的なのだったら理由としては辻褄が合うしね」
「辻褄が合うってどういう事?」
神奈子の隣りに腰を下ろしている諏訪子がそんな疑問を口にする。
「単純な理由なんだけどデュラハンは人間の大人より妖怪の子供の方が稼動効率がいいんだよ」
「なるほどね、そもそもあんたなんでそんな事を知ってるんだい?」
僕の説明を聞いて神奈子が尤もな質問をしてきた。
「もうどれ位前だったかな?多分数百年は前なんだけど西の大陸でデュラハン、っていうかそれを造った奴と揉めた事があるんだ。臥寫喰って邪神なんだけど、幽香が操られていた令授の環もそいつが造った物だよ」
「あぁあれね、そういえば前は聞きそびれたけど虚空はそいつとどういう関係なんだい?というか何で邪神が組織とつるむ様な真似をするんだい?」
神奈子にそう言われて僕は思い出した、そういえば幽香の時は説明を端折ったんだった。
「えぇと何から話せばいいのかな……西の大陸に居る時に吸血鬼の騒動に巻き込まれてね、そいつとの腐れ縁が始まったのもその頃だね」
神奈子達に話をしながら僕は当時の記憶を呼び起こす。
何の因果かそこを支配していた吸血鬼の王を自称する奴と小さな王国との紛争に巻き込まれたんだったな、懐かしい。あの騒動が終結してすぐにあそこを離れたけど今はどうなってるんだろうか?
「それで何でそいつが邪神なのに組織みたいな所とつるむのか、だけど…そいつの我欲が“探求”だからだよ」
この世界でもっとも身勝手に生きている邪神、他者と馴れ合わず只欲望のみで行動する存在。覚醒体になるとその行動は更に顕著になる。
「あいつは“あらゆる術を造る程度の能力”を持っていてね、組織に属して術やら魔道具やらを造って実験場にするんだよ。自分が造った物がどんな結果を出すのか?ただそれだけにしか興味を持っていない。あいつがつるむのはそういう理由さ」
「ふ〜ん邪神っていうのは解らない連中だね」
諏訪子は僕の話を聞いて呆れたようにそう呟いた。まぁ解らない連中というのは同感なんだけど。
「まぁそいつの話はこれ位にして話を戻そうか」
僕がそう言うと神奈子が「そうだね」と言い机の上に置いてある書類を数枚取ると僕に渡してきた。書類の内容は殿朗やその他の協力者達が行っていた取引に関してだ。殿朗のあの感じから黒幕がいるのは間違い無く、その黒幕も予想が立っていた。
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