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翅の無い羽虫
第二章 私たちの国
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『あ、そう、うん、これだ』
「なんだ」
『屋外で栽培してあった新資源の遺伝子改良物が汚染されちゃって全部ダメになった』
「……それは忘れたらダメだろ。あとそういうことは最初に言ってくれ」
 私は大急ぎで仕事の支度をし、放射線兼感染対策用の防護服のスーツとガスマスクを着用して玄関を開けた。

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