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SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第二章  曇天の霹靂
As2.村正
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解放されるかもしれない。

「…………」

 ――俺が望んだものを、俺が拒むのか?

 俺は何故、孤独を選んだ? 俺は何故、SAOを選んだ?
 俺は何故、茅場晶彦の言葉に歓喜した……?
 考えた。それこそ、人生で初と言っていいほど。
 そして結論を出した。それが最善ではないと知りつつ。
 俺は、長い沈黙の間、目の前で震えていたファムに返答した。

「…………………………悪い」

 断りの、言葉を。












 二〇二三年 二月十九日 日曜日

 アインクラッド第十層。広大な砂漠と、オアシスを中心とした樹林や村があるエジプト風な階層。
 この階層にある村や町は、建物が少なく通りが広い、また地面も平坦な場所が多い。それゆえ、ベンダーズ・カーペットを敷き、露天をする生産プレイヤーも少なくない。あと数週間もすれば、第十層は大規模な露店街になるかもしれない。

 ――ま、俺には関係ないが。

 プレイヤー露天すら利用しない筋金入りのボッチ……もとい生粋のソロプレイヤーである俺だ。装備、アイテムに至るまで全てを、プレイヤーメイドではなく、モンスターからのレアドロップで揃えている。

 ――フロアボスのドロップはなくとも、エリアボスのドロップはたんまりある。

 迷宮区最上階のボスはソロじゃ無理だ。少なくとも、この状況で単身撃破を試みる博打は出来ない。
 その点、エリアボスは確かに強いが、ソロでもやってやれない事も無い。本当に危なくなったら簡単に逃げだすことも出来る。最悪、転移結晶を使えば問題は無い。唯一の問題は、誰よりも先にエリアボスに見つけ、誰かが来る前に倒さねばならないというところか。早い者勝ちは他と変わらない。
 しかしそれも、他のプレイヤーがフロアボス攻略と新階層解放でお祭り騒ぎしている間に先に進めば、ある程度は先んじてエリアボスを何体か倒すことも出来る。

 ――あくまでも今は、だが。

 これから先、俺と同じ考えを持つ者も出てくるだろう。
 そうしたら、また別の方法を考えなければな。
 此処で、先駆者でいられる方法を。

「…………?」

 十層迷宮区からのいつも通りの朝帰り、ふと索敵範囲内に反応があった。
 俺は特定の宿を持たないが、かといって迷宮区最寄りの町みたいな人の集まる所を拠点にするのも躊躇われた。その為、少し遠くにはなるが隣のエリアの村を拠点にしている。
 迷宮区エリアへのエリアボスが倒されたことにより、プレイヤーは皆、迷宮区最寄りの町を拠点としているので、此方は割と閑散としている。

 そのはず、なのに。

 ――反応は七つ。プレイヤーのようだが……何かおかしい。

 パーティーだとしても人数が半端過ぎる。三人と四人
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