暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
Ex2.裏方の仕事人
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 なんとも面倒くさい話じゃないか。
 私がこんなにも色々と考えているというのに、誰もがそれをあざ笑うかの如く自分勝手だ。
 デスゲームなんてフザケタ状況でも、全員が全員協力しあえる訳じゃないし、まして他人を貶める輩まで出る始末。

「…………くくク」

 いいだろう。いいだろうともさ。
 お前たちがその気ばらば、私にも考えというものがある。

 ――あの計画・・・・、早めるとしようカネ……。

 私はキリュウにメッセージを打つ。
 バリーモッドについて調査した内容を簡単にまとめ、まずは結論。バリーモッドが事を起こす旨を伝え、次いでビーターについて書く。このとき、やや同情を引き易い文章にするのも忘れない。
 わざとらしいくらいでいい。
 騙されてくれればめっけモノ。そうじゃなくても確実に布石にはなってくれる。
 そして焦らすようにしてから、次に私の秘密――というほどでもないが――ベータテスターだということを明かす。
 人間ってのは、他人から秘密を打ち明けられれば少なからず気持ちが浮き立つ。自分以外は知らないのだという優越感を感じるせいだ。
 ここで意見を誘導してやれば、考えが肯定的になる可能性が高い。
 追い打ちをかけるようにバリーモッドの動機について説明する。被害妄想が過ぎるとはいえ、彼もデスゲームで歯車が狂ってしまった被害者なのだと。暗に、バリーモッドを犯罪者にさせるなという意味を込める。
 最後にとどめとして、情報の報酬は要らないということ、そしてボス戦が終わった後のことはこちらで責任を持つということを示し、少しでも頼まれる側の重圧を軽くしてやる。

 ――ふむ。ここまでしてやれば十分だろウ。

 これは頼みであると同時にテストでもある。
 キリュウが、私にとって本当に信頼できる人物となりえるかというテストだ。
 彼がこの状況でキリトを助けようとするお人好しバカなのだったら、私は最大限キリュウのこれからをバックアップしよう。
 他人のために命を張ってくれる人間は貴重だ。他の誰がそういう人間をバカと笑おうが、最後の最後で頼れるのは結局そういう奴だけだ。
 逆に、もしキリュウがキリトを見捨てるような人間だったとしたら――――それはそれでいい。
《デスゲーム》なのだから、自分の安全を優先するのは当たり前だ。
 しかし、そういう輩はこれからも大事な場面で自分を取る。無論、信頼は一切できない。
 いきなり関係を切ることは無いが、次第にフェードアウトしていくのは確実だろう。

 私は自分を臆病者と認識している。
 本来ならば、自分の方から他者を信じるということを始めて、徐々に信頼を築いていくものなのだろう。
 だが私は、まず相手ありきだ。
 信頼できる相手と、しっかりと判断ができて初めて
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