暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
第一章  冒険者生活
Ex2.裏方の仕事人
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「ねぇー、教えてよぉ」
「……《あの件》についてだったヨ。ほラ」

 私はメリーシアにメッセージを見せた。

「ふむふむ……んふふっ、なるほど。計画通りみたいね。……でもよく《アレ》を見つけたわよね? いえ、むしろよく考え付いたって言った方がいいのかしら」
「にっひっヒ。まぁネ」

 送られてきたメッセージにはこう書かれてあった。






『アルゴさん。あなたの情報通りの手順で、黒鉄宮の《牢獄エリア管理システム》を掌握することが出来ました。予想通り、投獄日数の変更も可能みたいです。アルゴさんの仰る通りでした。このシステムを悪用されでもしたら大変なことになります。これより、私が責任を持ってこの黒鉄宮を管理致します。お任せ下さい。
 そして次に、連絡にあった通り、先ほど牢屋(ジェイル)に強制転送されてきた男性プレイヤーを一名確認しました。転移してきた当初は盛大に喚いておりましたが、今は大人しくしています。彼がPK未遂を起こしたというのは、アルゴさんの情報なので信じますが、本当に《無期投獄》の設定にしてよろしいのでしょうか?』

 このソードアート・オンラインの世界には《犯罪防止コード》というものがある。主街区などの一部の町村に敷かれた、システムによる絶対ルールのことだ。
 このルールに反する行為を行った場合、プレイヤーは重いペナルティを受ける。
 簡単な例を挙げるとするなら、やはりセクシャル・ハラスメントだろう。
《犯罪防止コード圏内》で男性プレイヤーが故意に女性プレイヤーの身体へ接触を試みた場合、女性プレイヤーはハラスメント行為をシステムに申告(コール)できる。
 申告された男性プレイヤーは身体(アバター)を拘束されてカーソルが犯罪者を示すオレンジカラーとなり、黒鉄宮内にある監獄エリアの牢屋(ジェイル)へ強制転送させられる。

 ベータテスト時代であったならば、リアルで三日間は牢屋にアバターが更迭されられ、ログアウトしてもアバターはそのまま牢獄の中に居続ける。
 期間限定のベータで三日間の拘束はかなりきつい。
 更に、このコード違反にも重さがある。
 普通の刑務所と同じだ。罪の重さで服役期間が変わるのは当たり前ってね。

 ベータでは、基本的に違反の罰は三日間の投獄が普通だった。
 では、今はどうだ?
 デスゲームという状況下で、逆に言えばたった三日間の投獄で犯罪も許される。
 もし、犯罪上等というバカが現れたりでもすれば、この世界はどうなってしまう?

 ――決まっている。混沌だ。

 アインクラッド百層の攻略をしている場合じゃなくなるだろう。
 そう考えた私は、何よりも真っ先に黒鉄宮を調べた。
 黒鉄宮には監獄エリアがある。
 ベータ時代、監獄エリアを始めと
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