SAO編
第一章 冒険者生活
12.ビーター暗殺
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「――――ッ!!!?」
同時、範囲外にいるあたしたちですら身を竦めてしまうほどの衝撃が走った。
プレイヤーには当たらなかったみたいだけど、六メートルの巨体が繰り出す強烈な振り下ろし攻撃に、特殊効果とは関係なく体が硬直してしまいそうになる。
特に、今のあたしたちは部隊の誰よりも前にいる、ボスの巨体の近くにいるのだ。
想像してみてほしい。目の前で、自分の体よりも数倍大きい生き物が動いているというそれだけで足がすくみそうになるのに、更にその生き物に攻撃を加えるという。
この《ソードアート・オンラインの仮想世界》に来てからというもの、現実とかけ離れた出来事ばかりだったけど、古樹の巨人はまさに規格外だ。現実の常識で考えれば、あたしたちが勝てる可能性なんてほとんどない。
――でも、ここは現実じゃない。
まるで魔法の言葉だ。それだけで、自分はいつもとは違う力を出せる。
それはモンスターに立ち向かう勇気だったり、未知の恐怖を克服する意思だったり。なんていうか、強気になれるって言えばいいのかな。
だから……。
「今度こそ行きます! ――スイッチ!!」
その掛け声を合図に、あたしたち四人は一斉にボスへ駆けだした。
「せああああ!!」
「……はいっ!!」
チマは、ショルダータックルみたいな格好で剣を地面と水平に構えて突き刺すような突進をボスの腰に向けて繰り出した。
その後ろにいるレイアは赤い鞭を真横に振り、払うような一閃をボスの右肩目掛けて放つ。
「やああああ!!」
チマの横を駆けるあたしは、体の前に構えた剣を、腕を返して穂先を下に向け、内側にねじった腕を上げながら後ろに引く。そのまま左足を軸に一回転し、斜め下からバックハンドで振り上げる剣撃、片手用直剣行動阻害系重単発技《ムーブ・ワイプ》で相手の硬直時間を延ばす。
「……っ!!」
そして、キリュウさんがあたしたちの攻撃の隙間を埋める様に、細かい突きを連続して出していた。
この時あたしが考えていたのは、ただただ、攻撃しなきゃ、ということのみ。待っている間は色々なことを考えていたけど、いざ攻撃をするときになると、それだけだった。
「……硬直が解けたら左側に後退だ。合図を聞き洩らすな」
キリュウさんがあたしたちに注意を促してくる。
攻撃を当てて後方に戻るまでは気を抜くのは危険。解ってはいたけど、ちゃんと攻撃を当てることが出来てほっとしそうになるのをなんとか踏み止まる。
「次、行きますよー! スイッチ!!」
ポスキムさんの合図が聞こえた。ちょうどソードスキルの技後硬直が解けたときだった。
「下がるぞ……!」
キリュウさんの言葉に押されてあたしたちは左
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