SAO編
第一章 冒険者生活
12.ビーター暗殺
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最も命が脅かされる危険地帯に立たなきゃいけない状況が増える。――これから先、きっと。
誰よりも堅い鎧に身を包み、誰よりもHPが減り難いからこそ、誰よりも危険な場所にいなきゃならない。己の命を懸けて仲間を守らなくちゃいけない。
――それが、壁役。……あたしの目指す役割。
早く、どんな状況でもみんなを守れるような壁役になりたい。あの立ち位置は、敵の真正面だからすごく怖そうだけど、でもそれを乗り越えられたならきっと……。
「スイッチ! はい、次のパーティーは準備して下さい!」
「――っ!」
すぐ近くで聞こえたポスキムさんの号令。いけない、別の場所を眺めてる場合じゃなかった。
「スイッチ! はい、次!」
声と、ボスのシルエットがだんだんと近づいて来る。
あたしたちは今、二パーティーずつ横に並んで、ボスに向かって列を作っていた。まるで体育祭のレースで自分がスタートするのを待ってるような状況。でも、緊張感はその数倍じゃきかない。スイッチという掛け声が上がるたびに、自分があの強大なボスに攻撃する順番が迫ってくるのだ。
「行動遅延ディレイっていうと、わたしの場合は《スタッブ・チャージ》とかッスかね」
「鞭系は結構その手のソードスキルは多いけど……」
「……済まないが、俺は通常攻撃のみにさせて貰う。その代わり、ボスの動きは見ておく。お前たちは攻撃を当てることだけに集中していろ」
「はいっ、了解です!」
支援部隊のあたしたちは、ボスの左脇から行動阻害系スキルで、攻撃部隊の為の隙を広げる。
あたしは片手用直剣スキルを使ってるから……うん、アレにしよう。
「スイッチ!」
その声と同時に、前にいたプレイヤーの人たちが居なくなった。
次が、あたしたちの番だ。
ほんの数メートル先では、ボスの巨体を取り囲んだプレイヤーたちが色とりどりのソードスキルを放っていた。
横に立つポスキムさんが、ボスと、現在攻撃をしているパーティーを睨んで交代のタイミングを見計らっている。
そして、ポスキムさんが片手を上げた。
「次、行きます! ……今っ、スイッ――」
「待て! ソードスキル……《バーチカル》来るぞー! 正面の奴は退避しろー!」
別の声が割って入り、攻撃は一時中断。ボスの垂直振下技バーチカルは強力で、重装甲の壁部隊でも防御はキツイ。しかも攻撃着弾地点から半径六メートルは、地面叩きつけの衝撃で約十秒間の行動不能状態となる。ジャンピング回避とかは出来るみたいだけど、流石にそんなことをしようとする猛者は居ない、と思う。
「下がれ下がれー!!」
ボスがゆっくりと丸太のような剣を頭上に掲げ、ギシギシとその身を唸らせた後、光を帯びたそれを、思いっきり振り下ろした。
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