暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第二十八話
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ス経験値……それが、いつの間にかカズのレベルを大きく上げていたのだ。
 
「それに加えて、今までの戦闘でも奴は延々と先陣を切っている……俺達後衛よりも経験値の入りが早いし……そうか、カズが道中に六門魔術を使う戦い方をしていたのは位階上昇が近かったからか……」

 セモンは思い出す。

 それは、《白亜宮》突入前……《六王神》と戦う、さらに前だ。道中で何度かモンスターと遭遇したセモン達は、駄目押しの経験値入手のために、それらと何度か交戦した。その際に、カズはいつもの剣戟攻撃だけでなく、普段はあまり使わない六門魔術を使っていたのだ。

 それが、この最終戦で、遂に規定域まで達したのだろう。この土壇場でカズは位階上昇を果たし――――レベル40、第三階位へと上り詰めたのだ。

 だが惜しいかな、シスカープの位階は四。このままでも、シスカープの《マルチウォール》を突破することは不可能だ。セモン達と違ってなぜカズが位階上昇したのかの理由には思い至らなかったようだが、シスカープはしかし、自らの壁が破られることはないと、安どの表情を見せた。

「そうだ。君は僕の《マルチウォール》を破壊できない!僕に君たちの攻撃は届かない!!」
「そいつは――――どうかなッ!!」

 陽炎が、爆発した。《ノートゥング》の刀身の周囲を中心に、世界がぼやける。《マルチウォール》がかすんでいく。そして――――


 ついに、シスカープに、その刃が届いた。

「な……あぁぁぁっ!?」
「どうだ……っ!見たか、これが俺の新アビリティッ!!」

「……《次元断》が、強化されたのですか……」
「一時的かつ限定的なそれが、かなりの純度まで強化されたらしい。これなら――――結界系の防御網ですら突破できるぞ!」

 リーリュウとハクガが、なんか熱く語っている。そう言えば最近こいつら出番無ぇよなぁ、とか思ってしまうセモンとは一体。

 とにかく、カズの新しい能力は、シスカープを倒すことが可能なように見えた。これなら……と、セモンが《雪牙律双》を構え直した、その瞬間。

 事態は、思いもしなかった方向へと傾いた。


「あーあ、シスカープもここまでかなぁ」
「……ユニットID【ウォルギル】のLOSTを確認しました。リーダー、ご指示を」
「そうですねぇ……まぁとりあえずは、あの壁さんを片付けちゃってください。お兄様の命令っぽいです」
「イエス、リーダー」

 
 聞こえてきたのは、四つの声。どこからともなくそれが響いてくるのと同時に――――

 ――――シスカープの後ろに、何者かが出現。真っ白いドレスを身にまとったそれは、少女の姿をしていた。両の手には、十字架の様な形状をした、半透明の長剣が一振りずつ。それを軽々と振り回し、シスカープを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ