暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外11話『超ベリーグー』
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 一目見れば頭部がはじけ飛んで生きていられる人間などいない。よってクロコダイルが死んだ、と判断しされもおかしくはない状況なのだが、果してスモーカーの言葉通りだった。

「気が済んだか。ミス・ウェンズデー」

 クロコダイルの声。気づけばビビの周囲を不自然な砂が舞っていた。
 そして――

「この国に住むものなら知っているはずだぞ……この俺のスナスナの実の能力くらいな」

 ――ビビの腕と口を背後から抑え込むクロコダイルがそこにいた。

 自然系悪魔の実『スナスナの実』の能力者、王下七武海クロコダイル。決して単純な物理攻撃をその身に受けることのない自然系の悪魔の実の能力者。一筋縄ではいかないであろうこの男はビビの耳元で呟く。

「ミイラにな――」

 いや、呟けなかった。
 なぜなら。

「――セクハラ禁止!」

 ハントの黒く変色した拳がクロコダイルを殴り飛ばしていたから。
 すさまじい速度で殴り飛ばされたクロコダイルは壁際に設置されていた本棚まで弾き飛ばされてそのまま激突。全身が細やかな砂になって宙に舞った。

「……え」

 理解できないのは側にいたビビだ。
 ビビもクロコダイルがスナスナの実の能力者だということは知っている。そして、もちろんそれはすなわち単純な物理攻撃は通らないということも。なのに、つい今この瞬間。クロコダイルがハントに殴り飛ばされる瞬間を見た。
 何が起こったのかわからない、という表情をするビビに、ハントが親指をたてて言う。

「クロコダイルは俺が倒す……そう言っただろ?」
「……っ!」

 瞳を輝かせて頷いたビビだったが、すぐに状況を思い出してハントから離れた。なにせ相手は王下七武海のクロコダイル。巨人をも倒してしまうほどの力をもつハントの一撃とはいえ、たった一発で決着がつくわけがない。

「……てめぇ、まさか覇気使いか」

 まだまだ小僧ともとれるようなハントから一撃をもらったことによる屈辱とそれ以上の警戒をこめて、いつの間にか体を形成していたクロコダイルがハントを睨み付けた。

「珍しくはないんじゃないか?」
「こんなところにいるのは十分珍しいがな」

 冷静につぶやくハントと、吐き捨てるように漏らすクロコダイル。
 どこか対照的な態度の二人で、この態度だけを見ていればハントの方にこそ余裕があるかと思われるかもしれないが、実際はそんなことはなく、内心ではハントは焦りに焦っていた。

 ――ここで戦ったら流石に勝てないな、これ。

 ハントとビビ。クロコダイルとミス・オールサンデー。
 自分がクロコダイルと戦うのは当たり前として、ビビとミス・オールサンデーに差がありすぎる。つまりビビを守りながら、二人と戦わなければいけないということにな
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