暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外11話『超ベリーグー』
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「そういうわけで……連れて行ってもらえるか? クロコダイルのところに」
「……ハントさん!?」
「……え」

 ビビだけでなくミス・オールサンデーもが驚きの表情を浮かべた。

「ちょ、ちょっとハントさん! なにいって――」
「――どうせクロコダイルのところの行くんだし、その方が手間がかからないだろ」
「……で、でも」
「今日、反乱が起きる……時間もないんだし、な?」
「そうだけど――」

 不安そうな顔であくまでも渋るビビの言葉を割って、ハントは帽子を持ち主へと手渡しで返して笑う。

「クロコダイルは絶対に倒す」
「……っ」
「俺はルフィたちに比べたら確かに頼りない……でも、俺も麦わらの一味だ」

 真摯な目で、つい先ほどまであったどこか呑気な態度はなりを潜めて、いつしか穏やかかつ強い空気をまとったハントが、ビビの肩をつかんで、言葉を落とす。

「俺に任せろ」

 自信にあふれているこのハントの言葉はビビにだけ向けられているものではない。
 ルフィのようにまっすぐにただ前だけを見つめていられるほどの意志の強さはハントにはない。手合せ自体は嫌いではないが、かといって戦うことそのものが好きかと問われればそんなこともなく、ゾロのように強さだけを目指すような生き方もハントにはできない。
 それでも、ハントは強くなると師匠に誓った。
 だから、ハントはそれに応える。
 約束を守るため、自分が自分であるために。
 だからハントはビビへと、そして何よりも自分へと誓う。

「俺がクロコダイルを倒す」

 ビビが初めて見るハントの覚悟に溢れた表情。巨人二人を倒すと宣言したときとも少し違う、どこか不安の様相も垣間見える表情。それらを押し隠すように吐き出されたハントの言葉に、だからこそビビは頷き、微笑んだ。

「うん、わかった。行こうハントさん」
「……ああ!」

 こうして3人は歩き出す。
 クロコダイルのいる店『レインディナーズ』へ。

「……」

 ミス・オールサンデーは、楽しそうに彼らの会話を見ていた。
 それはクロコダイルをハントのような若者が倒せるわけがないと思ってのことか、それとも本当にただ二人の会話に興味を示しているのか、もっと別の何かを見ているのか。それはきっと彼女自身にもわかっていない笑みだった。




 レインディナーズ。
 水の上に浮かぶその店は夢の町『レインベース』の中でも最大の規模を誇るカジノで、オーナーが王下七武海のクロコダイルとして有名な店だ。
 誰もが夢と娯楽を求めて興じるこのカジノ店の地下。
 巨大に開けた一室があった。

 唯一の扉から50段以上もの階段を下りた先に広がるその一室は、空間の大きさだけ見れば王城の広間と言われても信じてし
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