暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外11話『超ベリーグー』
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ハントの質問にミス・オールサンデーがやはり先ほど同様に「そうね」と頷いた。

「ほら、行ったほうが好都合なんじゃないか?」
「罠に決まってるわ!」

 ビビの断言。
 ハントも決して賢いわけではないが、その可能性を考えないほどに救えないほどに暗愚というわけでもなく、人並みの警戒心は持っている。

 ――その割には敵意がなさそうなんだよなぁ。

 見聞色を発動していても害意らしきものが感じられない。
 それが、ハントがミス・オールサンデーに対してあまり警戒を示していない理由だ。
 まぁ、それがすなわち罠がないと断言するには不安があるのも事実で、ビビにそこまで強く断言されたらやっぱりそうなのかぁと思ってしまうのがハントでもあり、だがやはりどうせクロコダイルのいる場所に向かわなければならないのだから、じゃあ連れて行ってもらっても一緒じゃないのか? という疑問も彼の中に浮かぶ。

「うーん」と唸って悩む様子を見せる彼に、ミス・オールサンデーが中断させた。
「あなたたちの会話は少し面白いのだけど……残念なことに時間があまりないの」
「ハントさん……来るわ!」

 戦闘態勢に入ったミス・オールサンデーに対して、いつまでものんびりとした態度を見せるハントへとビビが注意を促す。

「……」

 ――やれやれ。

 ハントはため息をつき、無言で頷く。

「六輪――」 

 ミス・オールサンデーが技を発動するその瞬間、ハントが地を蹴った。

「――っ!?」

 気づけばハントがミス・オールサンデーの眼前へ。
 彼女に迫るハント。ミス・オールサンデーへと伸びる腕。 
 いつの間に間合いをつぶしたのか、それすらもわからないほどの速さ。 
 その速度は少なくとも先ほどミス・オールサンデーが相手にしたペルのそれとは比肩しえないほどに速く、鋭い。技の発動はもちろん、回避も、防御すら間に合わない。それを感じたミス・オールサンデーが息をのんだところで「はい、俺の勝ち」
 彼女の後ろから声が。

「……」

 おそるおそる振り向いた先ではハントはミス・オールサンデーの帽子を片手に、まるで勝ち誇った笑みを浮かべていた。
 ミス・オールサンデーはもちろん、傍から見ていたビビですらもその目には映らなかったため、何が起こったのかを把握するのに数秒の間を要した。

「……」

 そして、やっと自分がかぶっていた帽子が奪われたのだということに気づいたミス・オールサンデーがクスと息を漏らして「そうね、私の負けのようね」と両手をあげて降参のポーズを。

「ハントさん!」

 嬉しそうな声をあげるビビへ顔を向けず、ハントは一度大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出してから何かを決意したらしい強い意志を込めて言う。

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