暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外11話『超ベリーグー』
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 後ろ!」
「……ん? 後ろ?」

 のんびりと後ろを向くハントと、笑っていたミス・オールサンデーの視線が、ここでやっとかみ合った。
 あまりにもマイペースだったハントがやっと敵と対峙したことで、ビビが注意を促す。

「気をつけて、ハントさん。彼女は悪魔の実の能力者よ」
「……へぇ」

 せっかくのビビの忠告だったのだが、ハントの関心はそこではなく、実は別のところに。

 ――どっかで見たんだけどな。

 そう、目の前の人物が誰か、という点だ。
 なにせハントからすれば、実際問題としてウィスキーピークで会って以来だ。少しばかり残念な記憶力のハントがミス・オールサンデーに関して曖昧な記憶になってしまっていてもある意味では仕方のないことかもしれない。 
 本当はビビに聞きたい彼なのだが、とてもそんな空気ではなく、必死に記憶を掘り起こして、どうにかそれに成功した。

 ――たしか、えっと……ミス・オールサンデー……だっけ。B.Wの結構偉い人で……敵……で、よかったんだよな?

「王国最強の戦士ペルも彼女に……彼女には力も速度も、意味をなさないの!」

 ビビの声に耳を傾けながら視線を周囲へと。階下で倒れていた無数の人間。ミス・オールサンデーの後ろで口から血をこぼして気を失っているペルらしき人物。笑みを浮かべて佇むミス・オールサンデー。
 目の前の彼女が敵だという記憶と、悔しそうにそれでいて怨嗟のこもったような声で紡がれたビビの言葉が重なり合って、ついにハントもこの状況を理解した。

「……俺がもう少し遅れてたら結構危なかったのか」

 ――となると……うんこに行った俺が臭かったら嫌だとかいう理由で俺を置き去りにしたわけじゃないのか。敵襲かなにかがあって、って感じなのかな?
 状況を把握した割には呑気な……いや、ハント的には大事なことなのかもしれないが、少なくともそういうことを考える状況にあるわけではないはずなのだが、ハントは内心で安堵という場違いな感想を呑みこんだ。

「社長とあなたたちの仲間たちがいるところへと招待したいのだけれど……来てくれるかしら?」

 ハントが状況を理解するのを待っていてくれたのかと思えるほどに絶妙なタイミングで、ミス・オールサンデーが二人に言う。

「ふざけんじゃないわよ!」

 答えたのはもちろんビビだ。ハントが現れたことで本来の自分を取り戻したらしく、怒りをにじませてオールサンデーの提案を拒絶する……のだが。

「……あれ、行かないのか?」
「え?」

 どうにもハントの気の抜けた声がビビの気迫に穴を開ける。

「社長って……クロコダイルのことだろ?」というハントの質問にミス・オールサンデーが「もちろん」と頷き「仲間ってルフィたちのことだろ?」という
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