俺に可愛い幼馴染がいるとでも思っていたのか? 中編
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ビから流れる人気アイドルの歌とかで皆は集団洗脳されており、彼女はその洗脳の範囲の外に・・・いや、俺が外?どっちにしても筋が通らないし、洗脳の話は異星人説の時にやっただろう。却下却下。
こうなったら俺が実はキャトルミューティレーション的な何かで脳を弄られて、大切な人の記憶を失うとどんな影響が起こるかの人間関係を観察している奴が・・・ええい、出来損ないのSFにしか答えが行き着かないじゃないか!
「どしたの?」
「思考実験に行き詰まった。満腹中枢が刺激されて眠くなったせいに違いない」
「単に眠くなっただけならそう言えばいぃのに。遅れてきたチューニ病って奴?」
高校生だから既に高二病に進化している。フェイズ2、もはや医者も匙を投げざるを得ない手遅れ状態だ。俺、臨終。等と下らない事を考えるのは止めて手元のプリントを運搬する作業に戻る。日直の俺はクラスのプリントを教室まで持って行く義務を無理やり背負わされた学校の奴隷なのだ。
ならば頼んでもないのにそれを手伝ういりこはなんだ?態々自分から苦労を背負うなどマゾヒストのすることだ。つまりいりこはきっとマゾ。俺に知らない人呼ばわりされて1か月が経過しても嫌な顔一つしねえので本物の可能性がある。
「なんか、ものすごぉく失礼なこと考えてない?」
「お前がどこから来た何者かについては四六時中考えている。俺の予想ではお前は宇宙人か超能力者、若しくは実在しない存在だ」
「私の想像以上に失礼なこと考えられてた!!」
実はこいつは幽霊とか、集合無意識が生み出した幼馴染因果の結晶かもしれないし。大宇宙の意志の末端な可能性だってゼロじゃない。ただ、限りなく低いとは思っているが。
ひょっとしたら未来で罪を犯して孤独を強いられる「過去流しの刑」みたいなやつに処されたのかもしれない。そんで俺だけは未来人の記憶改変を受け損ねたのでいりこを得体のしれない存在だと認識しているのだ。だからこいつは俺に複雑な感情を抱いてやけになった結果ナイフで・・・あれ?違う違う、そうじゃない。なんやかんやで一方的に気に入られたパターンだろうその場合。そのパターンだと未来人。きっと目指すは未来改変だな。
「いりこ、過去は変えられないから過去なんだ。現実を真摯に見つめる冷静さも、時には必要だと思う」
「勝手に記憶改変してるさざめ君の言うセリフじゃないよねそれ!?どちらかというとそれを言うのは私だよね!?あぁあ、もう・・・・・・何でこんなの好きになっちゃったんだか」
「唐突な告白かよ・・・言っておくがお前の謎が解けるまで信頼を置く気はないぞ?そんな見え見えの釣り針ぶら下げたってクマは釣れないぜ」
と、隣でノートの山を抱えて歩いていたいりこの脚がピタリと止まる。何だ急にと訝しげに見やると、まるで油の切れたブリキみたいに首をキ
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