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【短編集】現実だってファンタジー
俺に可愛い幼馴染がいるとでも思っていたのか? 後編
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目覚めれば、地球にとって邪魔な存在である人類など一掃してしまえる力を秘め、その影響力は平行世界まで及ぶとされている。
だが本来、星の意志は自然災害以外の形で明確な形を取ることはない。しかし―――この世界では、それが生まれようとしているという。彼女たちの星で、一人の男が『星の意志』を形として定着させたように。故に自立型人類統括補助コンピュータ『エレミア』は地球の実質的指導者であるサクマにミッションプランを提出し、その計画の実行者として彼女たちが送り込まれたのだ。

『もし星の意志が暴れれば、我々の世界にどんな影響が出るか分かりません。元々この世界と我々の地球は、サクマ様という接点が存在し、互いにわずかながら干渉し合っているのです』
『だからとっとと計画を第2段階まで進めて、この星の意志がどう形を為そうとしているか探さにゃならんのですにぃ・・・』
『その為の記憶操作、そして潜入じゃん。まさかこっちの世界にそこまで神秘術に耐性のある人間がいるなんて予想外もいいとこだよねー』
「分かってるよ・・・だから『エレミア』のプランに可能な限り則って、私は『さざめ君の幼馴染』というポジションに収まらなきゃいけない・・・」

というか、向こうで最も高度なコンピュータであり自立意思も持っているエレミアもまた彼女の上司に近い立場にある。エレミアの処理するデータ量は膨大だ。その計算力はいっそのこと予知に近い事までやってのける。そのデータが、いりこはさざめの幼馴染というポジションに収まることが計画上最適である、と弾きだしたのだ。既に彼女を除く199人は術を駆使して所定のポジションへと納まっている。後は彼女がポジションに付けば計画の第2段階は始まるのだ。

今回の計画に彼の体質の事は一切考慮されていなかったことを考えると、彼一人だけという不確定要素の為にもう一度計画全てを練り直さなければいけない可能性がある。それを行うぐらいなら、エレミアはそれこそ「さざめという男を極秘裏に殺害しろ。イレギュラーだ」等と言いかねない。計画における彼の重要度などたかが知れているので、変更の通達を送る際にそれは止めてほしいと伝える事は出来ても、それが計画に反映されるかは分からないのだ。

「で、でも大丈夫だもん!データでは幼馴染というよりさざめ君と親しいというポジションこそ重要ってあったし!」

だが、その心配ももうすぐなくなる。いや、なくさなければならない。幸いにも今回の件で何を考えているか知れないさざめの本音を少しばかり聞くことが出来たのだ。これは貴重な第一歩なのである。少なくとも彼に嫌われてはいないという事実が、いりこの気をよくさせた。

「それに、さざめ君も私の事嫌いじゃないって言って・・・一緒に居たいって言ってくれたし、それに・・・」

いつも人の事をからかってば
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