Mission・In・賽の河原 後編
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「―――という訳で俺は輪廻を越えて再び現代に・・・・・・って、延年、聞いてんのかお前?」
「どうして俺の知り合いには馬鹿しかいないんだ、頭が痛くなってきた・・・」
突然近づいてきたと思えば訳の分からない小話を始めたこの阿呆と、何故俺は友達になってしまったんだ。そんなあまりにも遅すぎる後悔に苛まれた延年冴鮫は頭を押さえて小さく呻いた。
「どぉしたのさざめくん?達田くんの話、私は結構面白いと思うけどなぁ?」
「おお、さすが田楽さんはよくわかってらっしゃる!その点においてさざめ、お前のイマジネーションは屑だな」
「黙れ人間の形をした糞が。お前が授業中に散々その話を続けたせいで俺まで説教されていらついているのが分からんのか?糞が偉そうに人間の言葉を喋るんじゃあないっ!」
「なぜそこまで人権を否定されなければならねえ!?」
あれから十数年、かつてリーダーと呼ばれた少年は・・・友達に罵倒されながらも人生を満喫している。バベル完遂の英雄、ベビーブームを作った男、神殺しの切っ先。前世の事は覚えていなくとも、死後の世界での激戦を、達田唐丸と言う名で生まれ出たこの男は何故か覚えていた。
心当たりがあるのは転生前に地蔵菩薩が唐丸に施した封印法力だ。確か、救済された人間の魂から生前の情報を洗い落とすのが間に合わず、一部の霊魂は地蔵菩薩の法力によって前世の情報を封じられたのだったと記憶している。
元々賽の河原にいると時間がたつにつれて生前の記憶は摩耗していく。河原で古参だった自分を含むメンバーはとっくに生前の思い出は思い出せなくなっており、ならば河原の記憶だけで問題ないだろうと術を掛けられたのだ。
『時間無いしこんなもんでいいよね?』
『別にいーよー』
あれ、よく考えたら俺の合意の上だったな。合意取る意味あったんだろうかと思ったが、今のような状況を考えると全くなかったわけじゃないのか。
そのことを思い出したのは延年と友達になってからだ。こいつと握手した瞬間、心の中で種・・・じゃなくてお札のようなイメージが弾け飛んだ。理屈は全く分からないのだが、状況からしてさざめがきっかけになったんだと思われる。
あの時の記憶は自分が戦った証だからこそ、思い出せた感謝も込めて今日、意を決して伝えてみたのだが・・・
「ま、信じちゃくれねえとは思ったけど・・・ムトーコッケイ過ぎたか?」
「それ多分、荒唐無稽の事だと思うなぁ」
「そうそうそれそれ、ケーコーギューゴ」
「全然違う言葉になったぞ。ある意味お前の話の内容にあってなくもないが」
笑顔で懇切丁寧に間違いを指摘する田楽さん。恥ずかしいけどそのおかしそうな笑顔を見れたら俺は感無量です。惜しむらくは親友の彼女であることのみ。まぁ
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