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無欠の刃
幼い日の思い出
さてとそろそろ
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、昔と比べてしまえば、ずいぶんと細くなった。骨だって折れそうなくらいに脆く、弱くなってしまった。
 何年、何十年、むだにしてしまうのだろう。何年、苦しませて、何十年、悲しませるのだろう。
 先の分からない未来に、漠然とした不安と焦燥を抱きながらも、カトナはただ、ナルトを見つめ続ける。自らを見つめるサスケの視線には応えず、彼がどんな目で見ているのか知りながら、それでも、振り返らない。

「入って、今の、ナルトでも行けるか、確かめる」
「…俺は反対だ」

 厳しい口調で否定して、サスケは顔を歪めた。

「俺はもうアカデミーに入っているから、あそこでお前やナルトがどんな扱いがされるだろうかわかっている。お前はともかく、ナルトになら彼奴らはそこまで酷いことはしない筈だ。それは火影様も知っている。それに、お前はアカデミーに入らない。そういう約束のはずだろ」

 九尾が忍びになる。
 里の人間から浴びせられる悪意はさらに激しいものとなって、カトナを苦しめるだろう。九尾だからと、不当に他里に狙われることが増えるようになるだろう。もしかしたら、カトナが死に至る場合もあるかもしれない。
 だから、カトナはイタチや火影と約束した。

 「忍」にだけはならないと。

 身を守るための術は教わる。教えられる術は全て教えてもらう。けれど、忍者になることだけは駄目だと、カトナは、イタチとそう約束した。
 カトナはそれでもよかった。
 ナルトが「忍」になれさえすれば、あとは本当にどうだってよかった。自分がなりたいわけではなかった。ただ、ナルトを守れるなら、自分は何にもなりたくなかった。
 カトナの夢は「忍び」になることではなかった。
 けれど、

 「…ごめん、約束破る。忍になる」

 その言葉に、かっとなったサスケがカトナの肩を掴む。

「お前も、まだ、傷が癒えてないだろ」
「平気、いたくない」
「嘘をいうな。この前、傷の所為で熱出してただろう」
「痛く、ないよ」

 強情に、痛くないと何度も繰り返すカトナに、痺れを切らしたサスケが怒鳴ろうとした時、カトナはいつもの無表情を殴り捨てて叫んだ。

 「ナルトの方が、もっともっと、痛い!!」

 いつもは冷静なカトナがそれほどまでに感情をあらわにしたことに驚き、思わず、サスケは掴んでいた手の力をゆるめた。カトナはサスケの顔を見て、更に泣きそうな顔を歪める。
 赤い瞳が揺れた。
 真っ赤なそれからあふれる涙をぬぐおうと、サスケは指を伸ばす。
 しかし、触れる寸前でそれは弾かれた。

「…もう、むりだよ」

 その言葉の意味するところに気が付いて、一瞬、サスケの動きが止まる。その隙に、カトナが身を翻した。
 彼女が部屋から飛び出していく。
 一瞬、その肩を
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