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無欠の刃
幼い日の思い出
さてとそろそろ
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 「記憶、大丈夫? チャクラ、うまく、コントロールできた、…と、思うんだけど」

 カトナはサスケの掌に自分の掌を合わせ、全神経を集中させる。
 サスケが怪訝そうに繰り返す。

「記憶…?」
「イタチ兄さん、多分、何かの術式で、サスケに、幻術をかけた。脳が特に、ひどかったから、記憶を、改造したんだと、思う。チャクラ、おかしくなってたから、間違いない、と、思う」

 とぎれとぎれに紡がれた言葉に、サスケは半信半疑で自分の掌を見つめる。
 真っ赤になった掌に、ふいに、自分を見つめたあの赤い瞳が思い出されて。次の瞬間、霧が払われ、全てが思い出される。

 「兄さん…!!」

 叫んで、泣きそうになって顔を歪めた。
 馬鹿だと、あの人は馬鹿だと、行き場の無い気持ちを抑えきれず、振り上げた拳を床にたたきつけた。
 サスケの突然の動作に、カトナはびくりと大げさに体を震わせた後、そっと、彼の指に自らの指をからめた。

「イタチ兄さん、里、ぬけた。罪人扱いされてる。みんな、サスケの事、被害者って言ってる」
「…俺は被害者じゃない。被害者は、兄さんの方だ」

 噛みしめた歯が奥で擦れた。
 父を亡くした。母を亡くした。大切な人たちをなくした。親戚も、縁戚も、知り合いという知り合いが一気に消えた。すべて失われた。なくなった。もう、戻ってこない。
 その絶望が全身を焼いていく。
 だが、それ以上に思うのは。
 あの優しい兄が。あの、まだ年端も行かない穏やかな兄が。
 どんな思いで、人を殺したのか。
 激情が体の中で渦巻いて、無性に苛立って、サスケは叫びだしたくなった。
 それでも懸命に言葉を呑み込んで、カトナを見つめる。唯一の理解者に、これから先、自分が頼れる唯一の人間に、サスケは問う。

「里は兄さんのこと、どう扱ってる?」
「冷酷無比、極悪、S級犯罪者、抜け忍」
「好き勝手言いやがって…」

 何も知らない奴が騒いでいるだけだと分かっていても、止められない苛立ち。
 胸糞悪いと、心の中で罵ったサスケの様子に気が付きながらも、カトナは尋ねた。

 「さすけは、どうしたい?」

 自分はそれに付き合う。
 無言でそう告げるカトナに、サスケはまったく迷うことなく言い放った。



 「俺は絶対に兄さんの無実を証明する」



 そういったサスケの瞳は、あの時のイタチのように、赤かった。


・・・


「あかでみー、入ろうと思う」
「は」

 いきなりの言葉に、サスケは小さく体を震わせると、カトナに目を向けた。
 赤い髪を持つ少女は、サスケと全く視線を合わせることなく、ベットの上ですやすやと寝ている金色の髪を持つ少年を見つめる。
 血色は、あまりよくない。足も
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