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無欠の刃
幼い日の思い出
さてとそろそろ
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自分たちの大切な物を奪った九尾が降臨し、三代目火影を殺されるという最悪なシチュエーションの時、誰かが立ち上がり、闘い。そして勝ったならば、民衆は、里の者達はどうとらえるだろうか。
 簡単だ。「英雄」とそう捉え、そして九尾を倒した暁には火影になってしまおうという、そんな計画。
 一瞬のうち、恥と怒りでサスケの顔が真っ赤になった。
 自分の友であるナルトとカトナを利用した計画。九尾としか二人を見ていない、そんな非道な計画に、サスケは拳を握りしめた。

「こんなの、どうして」
「…俺達とナルトとカトナが仲良くなかったら、木の葉に反逆しようと思わなかったのかもしれない。……だが、九尾という圧倒的な力と己の権力の欲しさに目がくらんだ、それだけのことだ」
「…兄さんは、これ、いつしって」
「昨日の夜だ」

 本当のところは少し前から、こんな予感はしていた。
 九尾の様子を報告させたり、里の様子を自分に偵察させていた辺りから、何か起こりそうな、不穏な予感はしていた。
 けれど、カトナやナルトにどころか、実の息子でもあるサスケにまで、こんなことさせようとしているなんてのは微塵も思わなくて、どうしてこうなってしまったんだと、イタチは心の中で悔いた。

 最初の計画は、写輪眼で幻術をかけて、誰の血をも流させずに制圧するというものだった。無血計画だと父は語った。そして、そのためにはイタチの力が必要だとも、言っていた。
 なのに、いつの間にか、こうなっていた。
 どこで、間違えたのだろうか。
 多分はじまりは、父であるフガクが万華鏡写輪眼を持っている情報が漏れたことだ。イタチも父のフガクもどちらも語らなかった、秘めていた。
 だというのに、どこからか父が万華鏡写輪眼に開眼したという噂が流れ。そしていつの間にか、それは噂というレベルを超え、信仰に近いものになった。
 万華鏡写輪眼があれば九尾を操れるという事実こそが、今のうちは一族の監視と里の外に追いやられ迫害されるという結果を引き起こしたというのに、それを証明するような行動をとったって何にもならないのに。
 なのに気が付けば、うちは一族は九尾をコントロールして、たくさんの血を流してでも、自分が木の葉の里の権力を握ることに躍起になっていた。
 思えば、もともと隔離されていたとはいえ、うちは一族の監視がより明確なものとなったのは九尾の事件を境にしてだった。
 一族の中には九尾に対してよくない思いを抱いているものが多かったのだろう。イタチやサスケの前で露にすることがないだけで、本当は鬱憤をため込んでいた。
 排他的なうちは一族のなかに躊躇なく踏み込んでくる少女。憎い人柱力。――自分たちをここに閉じ込めた張本人。
 その思いが爆発したのだと、すれば。――こうなるのはきっと、必然だった。
 父
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