暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第三章 悪夢
第2話 愚か者
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ってないやつのことなんか言える義理じゃないことは分かってる!でも嫌なんだよ!いくら相手が人殺しをしてるからって……いくら狂三が憎いからって……それでそいつを殺したら自分もそいつと同じになるだろ!同じ人殺しになるんだよ!それじゃ意味ねぇじゃねえか!散々そいつを人殺し扱いして自分が人殺しになったらまた自分を恨んで誰かが殺しにくる!それで自分が殺されたら、殺しにきたやつはまた人殺しになる!こうなったら第三者が止めない限り終わらねえんだよ!復讐で始まった戦いは復讐で終わる。だから俺は真那を止める!狂三を殺させやしない」

真那「……!!」

上条「俺も真那とはさっき知り合ったばかりで君のことも何も知らない…。それでも嫌なんだよ……!目の前の女の子が……人殺しに染まって……それで……知り合いが死ぬのは……もう嫌なんだよ……!」

上条は自分で感情が制御できなかった。

知らぬ間に泣いていた。








随分前に……救えなかった女の子がいた。

ミサカ10031号

どうして実験のことをもっと早く気づかなかったのか。

これは上条当麻の一生の後悔である。

たまに思い出す。その度に自分を責めていた。

何故あの時、気づかなかったのか。



自分は愚か者だ。



でもいつまでも悔やんではいられない。

そう結論付けて、その記憶を自分の頭の奥深くに閉じ込めた。

それが今日

思い出された。

真那の『人殺し』という言葉に

それでも感情を抑えていたが、

爆発した。

今までこの感情を他人にぶつけたことがなかった。





そして真那は思う。

真那「(そうですか……この人も……人を殺してしちまったんですね……)」

真那「(私とはまた違った殺し方……そして殺すつもりをなかった人を……)」

真那「(この人は……自分より辛い過去を……それをずっと黙っていたんですね)」



この時、

ツンツン頭の嗚咽がしばらく聞こえた。

真那は無言で上条を抱きしめた。

真那「(私は……愚か者です……)」









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