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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第11話 “生きる”意志
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だブラドはやられてない!」
これは、峰先輩の声…?
「ゲゥゥウアバババババババッ!!!」
「「「!?」」」
気づいた時にはもうブラドは攻撃の態勢に入っていた。狙いは…神崎先輩!?


ギィィィィィン!


アリアが咄嗟にガードした小太刀ごと吹き飛ばされる。
吹っ飛ばされたアリアは、そのままヘリポートの隅まで転がっていった。
「「神崎先輩!(アリア!)」」
(何故だ!? あいつの魔臓に同時攻撃をしたはず――!? まさかあいつ、体を少し反らして舌の魔臓に当たらないようにしたのか!?)


「危ねえ、危ねえ……。俺をここまで追い詰めるとはな。」
「こいつ……!」
「それに、おまえらが厄介なのは確かみてえだな。ホームズ4世の次は、おまえにご退場願おうか」


黄金の双眸でキンジを見た。
「ワラキアの魔笛に酔え──!」
ずおおおおおおっ!


ブラドはまるで、エンジンのような音を立て空気を吸い込み始めた。
胸はバルーンのように膨らんでいく。


「ん? これって……まさか……」
勇人はブラドの行動に首を傾げたが、すぐに理解する。


「遠山先輩! 早く耳を塞いでください!!」
勇人の言葉にキンジはすぐに反応して耳を塞ぐ。
そして……。


ビャアアアアアアアウゥィイイイイイイイイ───ッッ!!!


ブラドが凄まじい雄たけびをあげた。
そのあまりの威力に空気までもがビリビリと震える。
数百メートル先でも聞こえるような大きな音だった。
服がばたばたと揺れている、風でなく音で……。
脳がかき回されるような感覚。


「塞いでても痛いとか……」
勇人は顔を歪め、悪態をつく。


「───なっ!」
キンジが突然驚く。
そして、グパァと口を開け笑うブラド。
(遠山先輩、まさかヒステリアモードが解けたんじゃ!? さっきの雄たけびはこれのためか!?)


再び、アンテナを手に持ってキンジに近づくブラド
ヒステリアモードが解けたキンジは呆然と立ち、ただブラド見ていることしかできなかった。
そしてブラドがキンジにアンテナを振るおうとした時――
「くそがっ!!! 遠山先輩!! これは貸しにしておきますよ!!」


ドン!


勇人はキンジを押しのけた。そしてブラドが振るったアンテナが勇人を吹っ飛ばした。


「イ゙ェアアアア!!!!」
「天原!!!」


ドン!! 
運良く壁にぶつかって屋上から落とされることはなかったが、それでも致命傷を負ったことには変わりはない。


「ぐっ……覚えてろよ……クソ吸血鬼野郎……」
そこで勇人の意識は途切れた。





目を開けてみると、少しぼやけているが建物のようなものが見える。

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