第一話〜流れ着く世界〜
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の姿があった。
そして次の瞬間、その赤い体に付いている大きな口を開き、手に持ったパイロットに齧り付いた。
凄惨なその光景に一瞬だけ思考が冷たくなったマークであったが、それを振り払うような言葉が通信機から轟いた。
『ふざっ、けるなああああああああああああああ!』
『やったなあああああああああああああああ!』
黒きマントを羽織る海賊は、大剣――ムラマサブラスターを起動させながら、手当たり次第にBETAを切り刻み始める。
白き一角獣は、赤い光を発しながらその真の姿を現し、ビームトンファーと二連装ビームガトリングでBETAをなぎ払い始める。
「ちぃ、熱くなるな!」
マークは今の二人に言葉は届かないと解っていながらも静止の言葉を投げかける。
そこにフェニックスガンダムに近づいてきた赤の武御雷が接触回線を使い、通信を繋げる。
『おい!貴様達は一体なんだ?!本当に彼らは兵士なのか?!それにその機体や武装も!』
映像は映らず、サウンドオンリーで繋がれた回線から若い女性の声が聞こえる。それに一々答えるのも億劫であったが、この世界の事を何も知らない自分たちにとっては情報源足り得る存在を無碍にするわけにもいかなかった。
「あの二人は精神的にも肉体的にもまだ幼い。人の死には慣れていても、人が一方的に喰われる状況には慣れていない。―――当てられたんだろう」
『――』
流石にそれ以上追求することはできなかったのか、通信相手が黙り込む気配が伝わる。
マークは一度センサーの動体反応を確認する。そして周囲の敵の殲滅はほぼ完了して、残りはトビアとバナージが今なお倒している分だけであると判断できた。
取り敢えずの安全を確認してから、今度はマークが声をかける。
「挨拶が遅れた。俺はマーク・ギルダーという。情けない話だが、今自分たちが置かれている状況を把握できずにいる。情報交換の場を設けたいのだが?」
『!……援護には感謝する。だが、貴様は――いや、貴様達は何者だ?その機体は――』
「それも踏まえて情報交換をすると言っているんだ」
二人が押し問答を繰り返す中、ユニコーンが最後の残敵――戦車級を握りつぶす姿が見えた。それを向こうも確認したのか、彼女も一応の譲歩の形を見せた。
『今から上に確認を取る。貴様たちは大人しくしていろ』
「了解した」
これがある意味、彼らのファーストコンタクト。
これから異世界のパイロットたちは、自分たちが訪れた世界が本当の意味での生存競争を行っていることを知る。
大人の都合に振り回され続けた少年はこの世界の人々を見て、何を感じるのだろか?
真実を知り、その上で戦う覚悟を決めた少年はこの世界でどう生きるのか?
多くの戦場を渡り歩い
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