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第四十話 騒がしき日々
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ワしているようにも見えるので、なんだかんだで彼女も楽しみにしているのかもしれない。
結局先日のラウラさんの騒動は、落ち着いてみれば簪さん達との距離も縮まったようで得るものは多かった。もっともそれ以上に精神的に疲れたんだけど。
簪さんはあれから表情が明るくなった気がする……裏を返せば今までが僕のせいでもあったということだけど。ともかく、今までより積極的に話をするようになったし、そのおかげでクラスメイトとの仲も改善されてきている。何故か、楯無さんとはまだ上手く話せないみたいだけど……二人ともいい加減素直になればいいのにね。
クラスメイトの喧噪は冷めぬまま、ようやくバスが旅館へとたどり着いた。
大人の雰囲気あふれる女将へと全員で挨拶したあと、一旦それぞれの部屋へと荷物を置きに行く。このとき初めて、部屋割を知らされる。今まで何も言われていなかったからてっきり寮での組み合わせと一緒なのかと思っていたけれど違うようだ。
……あれ? 僕の部屋がないんだけど。
配られた部屋割を見て、クラスメイトは荷物を持って旅館へと入っていく。でも、その部屋割に僕の名前は見つからなかった。
「あぁ、西園寺。お前はこっちだ」
「織斑先生?」
困っている僕に声をかけてきたのは、自分のクラスの担任ではなくなぜか1組の担任である千冬さんだった。困惑しつつも彼女について行くと、クラスメイト達の部屋とは少し離れた場所にある一室にたどり着く。
「教員室?」
そこには、『教員室』と書かれた紙がドアに貼り付けられている。よく見ると、周辺の数部屋にも同じように紙が貼られている。
「あぁ、お前は私と同室だ」
「……えぇ!?」
いや、確かに女子と同室なのは問題だとおもうけど寮のこともあるし今更じゃ……でもまぁ、せっかくの海だし避けられるなら避けた方がゆっくりできると思うけど。だったら個室にしてほしかったなぁ、千冬さんと一緒じゃ別の意味で気が休まらないような。
「……いろいろ言いたいことはあるがとにかく入れ」
考えていることが読まれたのかちょっと怒気を含ませながら千冬さんが僕に部屋へ入るように促す。
「は、はい」
どちらにしろ、拒否権はないので大人しく入る。とりあえず荷物を置き、室内を見渡してみると二人部屋としては広々としており、外の海も一望できるかなりいい部屋だった。
「さて、予想はついているとは思うがお前を女子と同室にするのは問題があるからな」
千冬さんも僕に続いて入ってきて、すぐにそう切り出した。
彼女がこういう話を出すということは、僕も素で話しても大丈夫ということ。
「できれば個室がよかったんだけど?」
「あぁ、そうする予定だったんだがな。デュノアの件があって部屋が足り
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